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Intelの2014年7-9月期売上高は過去最高、半導体業界の低迷懸念を一掃ビジネスニュース 企業動向(1/2 ページ)

Intelの2014年第3四半期(7〜9月期)における売上高は、過去最高となる147億米ドルを達成した。Microchip Technologyが半導体業界の低迷を指摘していたが、こうした懸念を払拭(ふっしょく)する結果となった。

» 2014年10月16日 11時05分 公開
[Rick MerrittEE Times]

 Intelは、2014年第3四半期(7〜9月期)の業績を発表し、売上高が過去最高となる147億米ドルに達したことを明らかにした。同年前期比では5%増、前年同期比では8%増となる。利益は33億米ドルで、同年前期比で19%増、前年同期比では12%増だった。第4四半期には売上高がさらに約1億米ドル増加する見込みだという。

 IntelのCEO(最高経営責任者)であるBrian Krzanich氏は、プレスリリースの中で、「このような成長を遂げることができ、うれしく思っている。2014年第3四半期において、過去最高となる売上高を達成し、大きな利益を挙げることができた。まだ対処すべきことが山積みだが、今回のような成果を実現したことにより、刺激的な新しい市場全体において当社製品の幅広い展開を目指す戦略を成功させたという自信を得ることができた」と述べている。

 Intelは、2014年第3四半期における主要な傾向をいくつか挙げている。

  • PC事業部門の売上高は92億米ドルで、同年前期比では6%増、前年同期比では9%増
  • サーバ事業部門の売上高は37億米ドルで、同年前期比では5%増、前年同期比では16%増
  • 新たに設立したIoT(モノのインターネット)事業部門の売上高は5億3000万米ドルで、同年前期比では2%減、前年同期比では14%増

 Intelは、アナリストとの電話会議の中で、「モバイル通信事業部門に関しては、2015年にはまだ利益を上げられないとみている。それでも、目標に向かって順調に前進している」としている。Smith氏は、「同事業部門の一部の既存製品については、販売すると損失が生じる。しかし今後、タブレット端末向けSoC『SoFIA』などの新製品を投入することにより、こうした損失を削減できると考えている」と述べた。

 Krzanich氏は、アナリストとの電話会議において、「中国のRockchipとの協業により、3G版SoFIAを開発した。現在、研究所で動作確認を行っているところだが、間もなく検証を開始し、2014年末までには出荷を開始できる見込みだ」と述べている(関連記事:インテルとRockchipが提携へ、低価格タブレット向けSoC「SoFIA」を提供)。

 また同氏は、「Intelは、RockchipとSpreadtrum Communicationsとの間でそれぞれパートナーシップを構築しており、いずれの協業関係においてもSoFIAの開発に注力している。こうしたエコシステムによって、極めてコスト効率の高い製品の開発が進められている」と述べる。

 Intelは、PC分野で成長できた要因について、シェアの拡大や効率的な在庫管理など、さまざまな要素を挙げている。Krzanich氏によるとIntelの経営幹部たちは、「米国が安定し、中国や南アメリカが軟化傾向に入ることによって、PC市場では全体的に、2014年以降も長期にわたり横ばい状態が続く」との見解を明示しているという。

 Krzanich氏は、「プロセス技術に関しては、2014年第3四半期に14nmの歩留まりを改善するという成果を挙げられたものの、まだ目標には達していない状況にある」と述べている。

 Smith氏は、「2014年第3四半期には、10nmプロセス技術開発の進展に伴い、これまでの傾向と同様に、初期段階の立ち上げ費用が発生している」と述べる。

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