米国の市場調査会社は、ウェアラブル端末の中でもスマートウオッチ市場は群を抜いて成長すると予測している。同社のアナリストは、「『Apple Watch』を模倣した製品が次々に登場し、50米ドルほどで販売されるようになるだろう」と予測している。
米国の市場調査会社であるThe Linley Groupで主席アナリストを務めるLinley Gwennap氏は2015年4月22日、米国カリフォルニア州サンタクララで開催した「Linley Mobile Conference 2015」で、「スマートウオッチ市場は好調に推移すると予想される。一方で、その他のモバイル機器市場の成長は減速する見通しだ」という予測を発表した。同氏は、「今後5年間で、スマートフォンとタブレット端末は成長率が1桁台に落ち込むが、スマートウオッチは年間売上個数が3億〜4億個に増加すると予想される」と述べている。
Appleは2015年4月24日、同社初のスマートウオッチ「Apple Watch」を発売した*)。Gwennap氏は、「Apple Watchは発売初年度に4000万個を売り上げる」という予想に対しては楽観的過ぎると指摘しているが、「スマートウオッチは飛躍的な成長を遂げる」と予測する。同氏は、「1〜2年内に、Apple Watchを模倣した製品が数多く登場し、50米ドルほどの価格で販売されるだろう」と予想している。同氏はさらに、「2019年にはハイエンドスマートフォンの購入者の17%が、スマートウオッチも購入すると予想される」とも述べている。
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スマートウオッチの価格は100米ドル以下に値下げすることが期待されているが、そのためには、より統合したチップが必要になる。このことから、Gwennap氏は「ARMの『Cortex-M』プロセッサの採用が進む」と予想する。同氏は、「Apple Watchは、Cortex-MをベースにしたCPUと、サードパーティと共同開発したOpenGL/GPUを採用するのではないか」と推測している。
一方、スマートフォンの年平均成長率(CAGR)は、2019年に9.6%に低下すると予想される。とはいえ、2019年時点での年間出荷台数は20億台に上る見通しだ。タブレット端末の低迷はさらに厳しく、CAGRは4.4%にまで下がる見通しだという。
Gwennap氏は「スマートフォンは、フィーチャーフォンから乗り換えるユーザーに成長を支えられてきた。だが、フィーチャーフォンからの移行はほぼ完了している」と述べている。
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