投稿論文を分野別にみると、最近はセンサー関連とバイオ関連の投稿、パワーマネジメント関連の投稿が多い。メモリ関連は前年は減少したが、今回は復活した。一方、デジタル回路関連と無線通信関連の投稿は減っている。
採択論文を国・地域別にみると、今回は米国が62件で断トツの件数を誇る。過去から米国は採択件数でトップを維持してきたのだが、最近は特に件数が増えている。第2位は韓国で12件である。日本が11件、台湾が10件と続く。日本は5年ほど前には3位を大きく引き離しての2位を確保しており、件数は20件を超えていた。しかしここ3年ほどは、発表件数の低下が目立つ。
採択論文を発表機関別にみると、大学の発表が目立つ。1位〜4位を大学が占める。トップはミシガン大学で、採択論文の件数は12件に達する。2位はKAIST(Korea Advanced Institute of Science and Technology)、カリフォルニア大学バークレー校、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で、いずれも6件である。VLSI Circuitsは大学の投稿が企業よりもはるかに多いという傾向があり、採択論文の数でも大学が企業を引き離してきた。
説明会では2012年〜2015年に3件以上の発表がある(あるいは発表を予定している)機関を一覧表(ランキング表)にしてみせていた。2012年には東芝が4件、ルネサス エレクトロニクスが3件とランキング入りしていたものの、2013年以降は日本の機関が1件もランキング入りしていない。日本の回路設計技術の将来が、いささか不安になる。
分野別の採択論文数では、センサー・バイオ・ヘルス分野が19件で最も多い。次いでデータ・コンバータ分野が18件、有線通信分野が16件、プロセッサ・アーキテクチャ分野が15件と続く。センサー・バイオ・ヘルス分野は2013年と2014年でもトップを占めた。データ・コンバータ分野は2013年に3位、2014年に2位とこれも発表件数が多い。有線通信分野は2013年は11件で6位、2014年は9件で5位とそれほど多くなかったが、2015年は大幅に増えた。
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