IoT(モノのインターネット)の世界の人間なら、誰でもHuaweiと手を組みたがる。“あらゆるモノを接続する”というビジネス戦略を展開しているHuaweiとパートナーシップを結ぼうと、さまざまな業界の主要ベンダーが飛び付いてくる。Yang氏はEE Timesに「メルセデス・ベンツやBMWのような企業は、喜んで当社と商談するだろう」と語った。
民生分野では、Xiaomiは単にメディアの人気者というだけではない。同社は、多くの新興企業にとって最も人気の“投資家”でもある。腕時計型のウェアラブル端末「Mi Band」を開発したHuamiが良い例だ。ウェアラブル端末の新興企業であるHuamiは、Xiaomiの投資とサポートを受けてMi Bandを開発し、中国で一気に有名になった。
新興企業のXiaomiが若いエネルギーを発するのは当然のことだ。だが、Xiaomiより長い歴史を持つHuaweiも、“若さ”を保つことを誇りとしている。同社は退職年齢を45歳に設定しているほか、毎年1万人を新卒で採用している。Huaweiのエンジニアたちは若く、情熱的で勤勉なのだ。
さて、2社の共通点はここまでである。Huaweiは17万人の従業員を抱える巨大企業だが、新興企業であるXiaomiの従業員数は8000人だ。
このような規模の違いと同様に、2社のビジネス戦略も決定的に異なる。
Xiaomiのプレジデントで共同設立者でもあるBin Lin氏は、最も大きな違いを「ハードウェアビジネスに対する認識」ではないかとしている。「当社は、ほとんどBOMコストという驚異的な価格でハードウェアを提供したいと考えている」(同氏)。
Googleが検索ごとに料金を請求しないのと同じように、Xiaomiはハードウェアの販売を大きく伸ばして利益を得ることには関心がない、とLin氏は説明する。
代わりにXiaomiが関心を寄せるのは、「販売する機器をクラウドにつなげること」だ。Xiaomiは(ユーザーの許可を得た上で)コンピュータにデータをクロールさせ、ユーザーの行動を分析して、より生活しやすくするための情報やサービスを探す。要するに、XiaomiはGoogleとFacebookが構築したビッグデータとサービスから成るビジネスモデルを追い求めているということだ。
とはいえ、Xiaomiはハードウェアに無関心というわけではない。Xiaomiの設立者らは自社製品の細部に熱い意気込みを持っているし、人々が製品をどのように使うかに心から関心を抱いている。彼らは単に、ハードウェアを将来の主な収益源と見なしていないのだ。
一方、Huaweiは接続性、サーバ、通信装置に関して他のどの企業よりも詳しい。だが、Huaweiの本業はハードウェアを売ることのままである。
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