次世代太陽電池として期待されるペロブスカイト太陽電池を低温・溶液プロセスを用いながら、従来よりも高い変換効率、信頼性を実現したと物質・材料研究機構が発表した。
物質・材料研究機構(NIMS)のナノ材料科学環境拠点 ペロブスカイト太陽電池特別推進チームは2015年6月、新型太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」を低温、溶液プロセスを用いて作成することに成功したと発表した。低温・溶液プロセスの実現により、プラスチックなどの軽量でフレキシブルな基板を用いた太陽電池の製造が可能になるという。
ペロブスカイト太陽電池は、灰チタン石(ペロブスカイト)と同じ結晶構造を持つ半導体材料で作成する新しい太陽電池。ヨウ化鉛メチルアンモニウム(CH3NH3PbI3または製法によりCH3NH3PbI3-xClx)がペロブスカイト層として用いられるハロゲン化鉛系ペロブスカイト太陽電池の研究が進められている。
このペロブスカイト太陽電池は、
などから、安価で高効率な次世代太陽電池として注目が集まっている。
ただ、実用化に向けて多くの課題も抱える。
などが課題として存在する。
こうした中で、NIMSではこのほど、相互拡散法(Interdiffusion method)と呼ばれるペロブスカイト太陽電池の作製プロセスに塩素を含む材料を添加する新規作製法を開発した。同作製法により、「優れた光電変換効率と下記の特徴を有するペロブスカイト太陽電池を低温・溶液プロセスにて実現することに成功した」(NIMS)という。
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