Wi-Fi Allianceは、自分の近くにあるWi-Fi対応モバイル端末の近接情報を自動的に発見する新機能「Wi-Fi Aware」を発表した。役立つサービスが見つかると、利用するためのアプリケーションがWi-Fi接続を実行し、電車内などの移動中や、電波の届きにくい屋内でも素早くアクセスすることができる。
Wi-Fi Allianceは2015年7月14日、東京都内で記者会見し、近接環境の情報をベースとした新たなアプリケーションをサポートするプログラム「Wi-Fi Aware」の概要や今後の展開について紹介した。
Wi-Fi Awareは、Wi-Fi対応モバイル端末間で、近接情報を認識する技術である。これによりWi-Fi接続を確立する前に、役立つサービスや共有したい情報を持つ端末を自動的に発見することができる。その後に、端末利用者がアプリケーションを起動すれば、Wi-Fi Directや従来のWi-Fi機能を通じて接続が確立され、高速/大容量の通信環境で必要なサービスを利用することが可能となる。
Wi-Fi Allianceのマーケティング担当で、バイスプレジデントを務めるKelly Davis-Felner氏は、「Wi-Fi機能を搭載した機器の出荷数は継続的に成長している。その成長を支えているのはスマートフォンや車載システムである。これらの機器/システムは常に移動しており、迅速に近接情報を認識することがこれまで以上に重要となる」と、Wi-Fi Awareの必要性を述べた。
Wi-Fi Awareの技術基盤である「Neighbor Awareness Networking(近接認識ネットワーキング)」技術は、バックグラウンドで常時稼働している。極めて小さいメッセージ(ビットデータ)をアプリケーションレベルで送受信することにより、通信エリア内(100〜200m)にあるさまざまな機器の状態やアプリケーションのサービスを発見することができる。
モバイル端末がウェイクアップやスリープの状態であっても、共通のハートビート機能でクラスタを形成するため、高い電力効率を実現することができるという。また前述の通り、端末同士は小さいメッセージで送受信するため、短時間でより多くの端末と通信を行い、近接情報を迅速に発見することが可能となった。
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