Thread Groupが、Threadの技術仕様を発表した。メンバー企業は仕様にアクセスして、Thread準拠の製品を開発できるようになる。さらに、AllSeen Allianceを主導するQualcommの子会社Qualcomm Technologiesを理事会メンバーに迎えた。IoT分野で切望されてきた“統一性”の実現が確実に近づいているようだ。
IoT向け無線通信規格の標準団体である「Thread Group」は2015年7月14日(米国時間)、新しい技術規格「Thread Version 1.0」を発表した。メンバー企業は、Threadに準拠した製品を開発すべく、Threadの技術仕様にアクセスできるようになる。
Thread Groupは、家庭内IoT向けに、信頼性が高い、低消費電力のメッシュネットワークプロトコルを開発する目的で設立された団体だ。もともと、Google傘下のNest Labsが主導していたが、ARMやSilicon Laboratories、Freescale Semiconductor、Samsung Electronicsなどのベンダー各社から支援を受けて、2014年に正式に設立された。
併せて、Thread Groupは「AllSeen Alliance」を主導するQualcommの子会社Qualcomm Technologiesを、Thread Groupの理事会メンバーとして迎え入れることを明らかにした。AllSeen Allianceは、IoTアプリケーションレイヤーの開発に取り組む、オープンソースIoTのアライアンスだ。
さらに、Thread Groupの創設メンバーであるSilicon Laboratoriesは2015年7月14日、Thread Groupの商用プロトコルスタックと開発ツールを発表した。いずれも、ThreadベースのIoTデバイスを手掛ける顧客企業向けに提供する準備を整えているという。
Thread Groupは、IoT分野で切望されてきた“統一性”の実現に向けて基盤を構築し、幅広い種類のIoTソリューションとの相互運用が可能なネットワークレイヤーを実現することによって、勢いに弾みをつけている。
さまざまな業界団体が、断片化されたIoT市場において主導権を握ろうとしている中、Thread Groupは今回、独自の規格を策定したことにより、今後は商用のThread対応IoT製品の認証や市場教育へと方向性を切り替えていくのではないだろうか。
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