論文を国/地域別にみると、台湾や日本、中国、韓国、シンガポールなどこれまでの開催国/地域からの投稿が多い。採択数では台湾の19件を筆頭に、日本13件、中国10件、米国10件、韓国8件などが上位を占めた。台湾や日本、韓国などからの採択論文数が減少する中で、中国からの採択数が10件に到達した。マカオからの採択論文(2件)を含めると合計12件となり、日本からの採択件数に近づく。「中国の研究力が向上している」と関係者は口をそろえる。また、ベルギーや米国などからの論文数も増加するなど、一段と国際色を強めてきたのも最近の傾向である。
一般セッションは「アナログ」「データコンバータ」「メモリ」「デジタル」「SoC」「Wireline」「RF」及び「新技術・応用」の技術分野で発表される。アナログ分野には33件が投稿された(実際は62件投稿されたが、29件を他のサブコミッティに移動)。特に小型高性能の電源技術に関する論文が増加している。エナジーハーベスティング関連も増えているという。国/地域別では欧州からの投稿比率が高い。中国からも増加する。今回は10件で全体の30%を占めた。
データコンバータ分野は26件の投稿があり、8件採択された。投稿数のうち23件はアカデミックである。また、投稿数の約半分がSAR型A-Dコンバータに関するものであった。メモリ分野は、投稿数が10件で、4件採択された。投稿数は減少傾向だが、多種多様なメモリ技術が発表される。会見では注目論文としてSK hynixの「256Gb 36層3D NANDフラッシュメモリ」を挙げた。
デジタル分野は23件の投稿に対して7件採択された。企業からの投稿数減少などもあり日本からの投稿/採択件数が減少傾向にある。一方、北米や欧州から投稿/採択数が増加しているという。関係者は「世界規模でA-SSCCの評価が高まっている」と分析している。SoC分野は19件の投稿があり、6件採択された。メディカル向けのSoCやニューラルネット技術を用いて高速/低電力で映像認識処理を行う車載/ロボットビジョン向けSoCなどに関する論文が目立つ。
Wireline分野では、27件の投稿に対して11件が採択された。採択率は41%と高い。特に、10Gビット/秒以上の送受信器に関する投稿論文数が13件で、ほぼ半分を占めている。RF分野は投稿件数が31件で、16件の論文が採択された。今回はミリ波関連の投稿が増加している。その中でも100GHzを超える技術について5件の投稿があった。採択件数を国/地域別にみると、欧州が6件(前回2件)と大幅に増えた。
新技術・応用分野は、40件の論文投稿があり、14件が採択された。特に、センサー技術関連の投稿数が半分以上となった。しかも、集積型センサーデバイスやその関連技術に関する論文発表が増加していることもあり、今回からセッション数を1つ増やし、3つとした。
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