今回は、いわゆる「部分痩せ」について徹底的に検証したいと思います。私にとって、ダイエットとは、体重が「重い」か「軽い」かだけの、単なる“スカラー”問題ですが、一部の人(特に女性)にとっては、そうではないようです。特定の部位の増減が気になるという“ベクトル”問題でもあるようなのです。
「世界を『数字』で回してみよう」現在のテーマは「ダイエット」。人類の“永遠のテーマ”ともいえるダイエットを、冷静に数字で読み解きます。⇒連載バックナンバーはこちらから
以前、担当のMさん(女性)から、
『女性は太る時には、ウエストから大きくなり、足、顔、そして最後にバストが大きくなります』
『しかし、ダイエットをすると胸から小さくなっていき、最後にウエストが細くなるのです』
と記載されたメールをいただいたことがあります。
この話は、嫁さんからも何度も聞きましたし、ネット上でも同様の女性のコメントが多数見られます。
例えば、このような記載があります。
「ウエストにクビレが欲しい。(中略)だいたいにして、クビレができたからといって何が変わるのか。きっと何も変わならいであろう。それが分かっているのに、クビレ願望が頭から離れないのは何故だろう」(「ダイエットがやめられない」片野ゆか 2007年、新潮社)
―― うーん、何かが違う。
私はクビレなど欲しいと思ったことはありませんし(当たり前だ)、クビレの有無で女性を選んだという記憶もありません。もちろん、私も男の端くれですから、スタイルの良い女性を『キレイな人だなぁ』と思うことはあります。
しかし、ダイエットの最中に痩せていく部位の「順番」を気にしたことはありませんし、ましてや、特定部位だけ痩せる/増やす、という ―― 時系列の多変量(ベクトル)問題として、ダイエットを把握したことはありません。
私にとって、ダイエットとは「重い」か「軽い」かだけの、単純な1次元のスカラー問題です。
―― もしかしたら、私たちが「ダイエット」という言葉を使うとき、一人一人が、全く違うものを見ているのではないだろうか?
―― もしダイエットが「ベクトル問題」だったとしたら、期待通りの数値を導き出すことは可能なのだろうか?(例えば、期待通りの、バスト、ウエスト、ヒップのサイズなど)
今回は、このテーマについて検討してみたいと思います。
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