サトーヘルスケアは、Cadi ScientificのRFIDタグを活用した赤ちゃんの取り違えを防止するシステムの本格運用を、永寿総合病院(東京都台東区)で開始したと発表した。永寿総合病院で看護部科長を務める小林さつき氏に、同システムを導入した狙いとその効果を聞いた。
サトーヘルスケアは2015年9月、同社のRFIDタグを活用した赤ちゃんの取り違え・連れ去りを防止するシステム「赤ちゃん見守りシステム(Cadi SmartSense for Infant Safety)」の本格運用を、公益財団法人ライフ・エクステンション研究所付属永寿総合病院(東京都台東区/以下、永寿総合病院)で開始したと発表した。
母親、赤ちゃん、コット(赤ちゃん用のキャリーベッド)のRFIDタグをマッチングさせ、取り違えが起きるとLEDライトと音で警告することで、医療現場のミスをなくすという。永寿総合病院で看護部科長を務める小林さつき氏に、同システムを導入した狙いとその効果を聞いた。
同システムには取り違えを防止するタグ、赤ちゃん用のストラップ、位置情報の監視に使用される情報検知アンテナ、位置情報発信機で構成されている。タグは、赤ちゃんの足首とコットの横、母親の手首に装着。それぞれのタグをマッチング後、見守りシステムの一覧表示画面でリアルタイムに位置情報やマッチング情報を把握できる。
タグの動作としては、母親と赤ちゃんのタグを30cm以内に近づけるとマッチングが開始。母親と赤ちゃんのペアリングが正しければ、LEDが緑色に光るとともにメロディーが鳴る。もし母親と赤ちゃんのペアが間違っていれば、LEDが赤く光り、アラーム音が鳴る仕組みとなっている。医療現場におけるヒヤリハットを無くすとしている*)。
*)ヒヤリハット:事故に直結する可能性のある事例
ペアが間違っているときは、看護師が管理する一覧表示画面上でも、異常事態であることが赤い色で表示される。赤ちゃんのストラップが切断された場合もアラート音で異変を知らせてくれるのが特徴的だ。同社によると、切断された場合でもアラートが鳴る同様のシステムは他にないという。また、医療現場の担当者は、PCをはじめスマートフォンやタブレット端末で遠隔からシステムの管理を行うことができるという。
さらに、エレベーターや非常階段などの「通過禁止エリア」には、多くの情報検知アンテナ、位置情報発信機が設置されている。赤ちゃんが通過禁止エリアに入ったことを感知すると、アラート音が鳴り連れ去りを防止。母親や看護師と一緒にいる場合は、お互いのタグ情報から安全を感知し、アラートが鳴らない仕組みとなっている。
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