プリンテッドエレクトロニクス分野では現在、ますます多くの技術センターが政府からの資金提供を受け、技術発展に向けた取り組みを進めている。例えば、米国カリフォルニア州のシリコンバレーにある研究センターは、2015年初めに、1億6500万米ドル規模の資金提供を受けている。しかしDas氏は、「企業がデモ用に披露する試作品と、実際に量産できる製品との間には、非常に大きなギャップがある。こうしたギャップを埋めるには、3〜5年を要する場合もある」と指摘する。
Das氏は、「EU(欧州連合)はこれまでに、プリンテッドエレクトロニクス技術分野に約2億ユーロを投じてきた他、国家プログラムからの資金提供も行っている」と述べる。だが、米国も巻き返しを図っている。
同氏は、「英国は、技術革新センター『Center for process Innovation(CPI)』に約7000万米ドルを投じている。またカナダは、オタワの技術センターに約4000万米ドルを投入した。この他、スウェーデンやフランス、アジアの国々などでも、国家的な取り組みが進められている」と述べている。
今回のシリコンバレーのイベントでは、ウェアラブルやエネルギーハーベスティング(環境発電)、3Dプリンティングなど、幅広い関連トピックについてもセッションや展示会が行われる予定だ。ある企業は、プリント基板を作成することが可能な3Dプリンタを披露する予定だという。
Das氏は、「将来的には、柔軟性のあるセンサーフィルムと電池を使うことにより、布地にしっかりと付着して、邪魔にならず、毎日充電する必要もないというようなウェアラブル機器を実現できれば、大きな成功を収められるのではないだろうか」と述べた。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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