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企業論文の採択率回復、日本は2位に、ISSCC概要ISSCC 2016プレビュー(2/3 ページ)

» 2015年11月18日 09時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

韓国が大きく減少し、日本が2位に

 ISSCC 2016では、世界21カ国/地域から93の企業/大学/研究機関が論文を発表する。採択論文数を国/地域別にみると、前回に続き米国が首位で、日本は24件で前回の3位から2位に上昇。ただ、採択数は、前回に比べて1件少ない。韓国は22件で前回(29件)から大きく下回った。欧州勢ではベルギーが12件で韓国に続く。

 企業/大学/研究機関別に採択論文数を見ると、トップはImecの10件、2位はSamsungの9件、Intelとミシガン大学がそれぞれ8件となった。日本からの採択論文は東芝が5件でトップ。ルネサス エレクロニクスとパナソニックはそれぞれ3件となった。さらに、ソニーと東京工業大学がそれぞれ2件で続く。井上氏は、「日本の論文は良質で、採択率が高い」という。実際、日本の論文採択率は50%で、10件以上採択されている国/地域の中では、ベルギーの80%に続き2位である。ちなみに、全体の平均採択率は33.6%である。

企業論文の採択比率が41%に回復

 一方、採択された論文数を産学で分けると、企業の比率が41%となり、前回の35%から6ポイント盛り返した。明確な理由はわからないとするが、「直近の10年は大学からの採択論文数が増加していたが、今回は日本も含め、企業からの論文採択がぐっと増え、その構成比率は2012年の水準まで回復した」(井上氏)。

産学別採択論文数の比率 (クリックで拡大) 出典:ISSCC 2016

 論文は「アナログ」や「RF」、「ワイヤライン通信」、「ワイヤレス通信」など10のカテゴリに分類されている。なお、前回までは「低電力デジタル(EED)」と「高性能デジタル(HPD)」に分かれていたデジタル分野を、今回より「アーキテクチャ(DAS)」と「回路技術(DCT)」に再編した。分野別採択論文数の構成比で特に大きな変動は見られないが、「ワイヤレス通信」の構成比が12%となり、前回に比べて4ポイント増えた。

ISSCC 2016における採択論文数の分野別構成比率 (クリックで拡大) 出典:ISSCC 2016

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