調査会社のラックスリサーチは、リチウム硫黄電池や固体電池などの次世代バッテリー技術市場が、開発への取り組みが活発化したことで2030年に100億米ドルへ成長すると発表した。
調査会社のラックスリサーチは2015年12月、リチウム硫黄電池や固体電池などの次世代バッテリー市場が2030年に100億米ドルへ成長すると発表した。バッテリー市場は現在、スマートフォンやタブレット端末、電気自動車などを中心に、リチウムイオン電池の普及が進んでいる*)。しかし、リチウムイオン電池には、価格や性能において課題が残る。同社は、「今後10年間はリチウムイオン電池が引き続きトップの座を占めるが、リチウム硫黄電池や固体電池への投資に機が熟したといえる」と語った。
*)関連記事:リチウムイオン電池市場、拡大の鍵はウェアラブル機器
同調査によると、次世代バッテリーは2030年以降も急成長するという。リチウム硫黄電池は2030年の約60億米ドルから2035年には290億米ドル、固体電池は約30億米ドルから420億米ドル(2035年)に成長すると見込んでいる。
エレクトロニクス市場限定でみると、固体電池は2035年に120億米ドルの売り上げ規模を達成し、市場の39%を占める。リチウム硫黄電池はエネルギー密度が課題となり、エレクトロニクス市場での普及は限定的としている。
同社のシニアアナリストである、コズミン・ラズラウ氏は、「次世代バッテリー技術の開発を手掛ける企業は、技術改良や製造規模拡大に注力している。しかし、同様に既存のリチウムイオン電池にも大規模な投資が行われ、技術的な改善が見られている。その中で市場シェアを確保していくには、次世代バッテリー技術の開発とリチウムイオン電池の性能向上の両方に投資する必要がある」とリリース上で語る。
同社は、本調査で次世代バッテリーを技術的に分析し、技術ロードマップを作成。次世代バッテリーの開発を手掛けるスタートアップ企業を独自の評価指標を用いた調査も行われている。調査結果は、同社Webサイト(英語)上で提供されている。
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