「半導体メーカーとの連携不可欠」――TDK:QualcommのIP利用でもメリットが(2/2 ページ)
RF360 Holdingsで手掛けることになるSAWフィルタやBAW(バルク弾性波)、デュプレクサ以外にも、TDKとQualcommは電池や非接触給電、センサー、MEMSの分野で協業関係を結ぶ。この狙いとしては、「スマートフォンに対する依存度を下げること」(上釜氏)があるという。さらに、これらの分野におけるQualcommのIP(Intellectual Property)も、有利な条件で使用できるようになるメリットがあるようだ。

左=TDKの重点分野。Qualcommとの協業により、「センサ」「エネルギーユニット」面も強化される / 右=売上高の割合。5年後には産業機器と自動車、ICTの比率を同等レベルにするとしている(クリックで拡大) 出典:TDK
ここ最近、TDKは積極的に動いている。2015年11月には、ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)の“懸案事項”でもあった鶴岡工場(山形県鶴岡市)を買収*)。同年12月には、ホール素子センサーを手掛けるスイスMicronas Semiconductor(ミクロナス)を買収すると発表した他、Trigence Semiconductorにもインテルキャピタルおよび産業革新機構と共同で出資した。上釜氏は、「成長投資として、今後3年間で3500億〜4000億円を考えている。ルネサス鶴岡工場やミクロナスの買収で561億円を使用したが、今後も、成長戦略に見合う案件であれば積極的にM&Aの活動も継続していく」と語った。
*)関連記事:ルネサス、鶴岡工場をTDKに譲渡へ
TDKの成長戦略(クリックで拡大) 出典:TDK
TDK、ミクロナスを263億円で買収
TDKが、ホール素子センサーを手掛けるスイスMicronas Semiconductor(ミクロナス)を買収すると発表した。買収総額は、2億1400万スイスフラン(約263億円)になる予定。
TDKがTrigenceに投資、IC内蔵基板の用途拡大へ
TDKは、Trigence Semiconductorに対して、インテルキャピタル及び産業革新機構と共同で出資した。TDKは、モバイル機器向け小型デジタルスピーカーの開発などを支援していく。
新生NXP、誕生の瞬間に密着
年間売上高が100億米ドルを超える巨大企業、新生NXPが誕生して1週間がたった。筆者は、合併完了日に、元Freescale Semiconductorの本社があった米国テキサス州オースチンに飛び、初日の様子を見て回った。
普通のメガネや箸に無線が組み込めるIC内蔵基板
2015年10月7〜10日に開催されている「CEATEC JAPAN 2015」の出品された製品、技術の中から選ばれる「CEATECアワード2015」の「テクノロジ・イノベーション部門」でTDKのIC内蔵基板「SESUB」技術がグランプリを受賞した。
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