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「半導体メーカーとの連携不可欠」――TDKQualcommのIP利用でもメリットが(2/2 ページ)

» 2016年01月13日 21時22分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]
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QualcommのIP利用でもメリットが

 RF360 Holdingsで手掛けることになるSAWフィルタやBAW(バルク弾性波)、デュプレクサ以外にも、TDKとQualcommは電池や非接触給電、センサー、MEMSの分野で協業関係を結ぶ。この狙いとしては、「スマートフォンに対する依存度を下げること」(上釜氏)があるという。さらに、これらの分野におけるQualcommのIP(Intellectual Property)も、有利な条件で使用できるようになるメリットがあるようだ。

TDKの重点分野売上高の割合 左=TDKの重点分野。Qualcommとの協業により、「センサ」「エネルギーユニット」面も強化される / 右=売上高の割合。5年後には産業機器と自動車、ICTの比率を同等レベルにするとしている(クリックで拡大) 出典:TDK

積極的な投資

 ここ最近、TDKは積極的に動いている。2015年11月には、ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)の“懸案事項”でもあった鶴岡工場(山形県鶴岡市)を買収*)。同年12月には、ホール素子センサーを手掛けるスイスMicronas Semiconductor(ミクロナス)を買収すると発表した他、Trigence Semiconductorにもインテルキャピタルおよび産業革新機構と共同で出資した。上釜氏は、「成長投資として、今後3年間で3500億〜4000億円を考えている。ルネサス鶴岡工場やミクロナスの買収で561億円を使用したが、今後も、成長戦略に見合う案件であれば積極的にM&Aの活動も継続していく」と語った。

*)関連記事:ルネサス、鶴岡工場をTDKに譲渡へ

TDKの成長戦略 TDKの成長戦略(クリックで拡大) 出典:TDK
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