ローデ・シュワルツ・ジャパンは2016年1月、ハンドヘルドオシロスコープ「R&S Scope Rider」を発表した。多くの機能を搭載し、電子機器の設置やメンテナンス業務だけでなく、開発用としても使える最適な1台という。同社の関野敏正氏に製品の概要や特長、今後の展開について聞いた。
ローデ・シュワルツ・ジャパンは2016年1月、5種類の測定器を1つの筐体(きょうたい)に納めたハンドヘルドオシロスコープ「R&S Scope Rider」を発表した。無線LAN搭載やバッテリー駆動、防水/防塵など多くの機能を搭載したことで、電子機器の設置やメンテナンス業務、開発用としても使える最適な1台という。
オシロスコープの開発を始めてから5年と後発である同社が、多くの機能を搭載できている理由はどこにあるのだろうか。ローデ・シュワルツ・ジャパンのストラテジック・マーケット・ディベロップメント部で統括部長を務める関野敏正氏に話を聞いた。
同製品は、これまでハイパフォーマンスオシロスコープのみにあったデジタルトリガーシステムを搭載。他にも、33種類の自動測定機能、マスク試験、XYリサージュ機能をサポートしている。波形更新速度は5万回/秒となっており、独自に開発した10ビットのA-Dコンバーターを搭載したことで縦軸の分解能を高めた。アナログ信号の入力帯域は、全ての入力チャンネルで最高500MHz帯域を確保したとしている。
関野氏は、「世の中のオシロスコープの多くは、8ビットのA-Dコンバーターを搭載している。当社は、ハンドヘルドでは業界初の10ビットを実現したことで感度が良くなり、開発用としても活用可能だ。波形更新速度に関しても、独自のASICを開発することで、ハンドヘルドオシロスコープとして他社に負けない速度を実現した」と語る。
また、2チャンネルと4チャンネルモデルに加えて、ミックスドシグナル機能搭載モデルを展開。これにより、8つのデジタルチャンネルを持ち、ロジックアナライザー/トリガー、デコーディングが可能なプロトコルアナライザー、データロガ―、デジタルマルチメーター(2チャンネルモデルのみ)といった測定器としても使用可能となっている。
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