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Qualcommにも真っ向勝負、手ごわい中国メーカー製品分解で探るアジアの新トレンド(2)(1/2 ページ)

今回は、急成長する中国の半導体メーカーを紹介したい。これらのメーカーは、勢いや脅威という点では、米国を中心とする大手半導体メーカーのそれを上回るほどだ。Android Media Playerを分解しつつ、中国の新興半導体メーカーに焦点を当てていこう。

» 2016年02月04日 11時30分 公開
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 中国やアジアでは、テレビなどにつないで使うAndroid Media Player、OTT(Over The Top) Box製品が数多く出回っている。多くの製品は日本円にして数千円相当から販売されていて、形状も手のひらに乗るBOXタイプから、HDMI接続を前提としたスティックタイプまで、さまざまなタイプが存在する。製品の多くは、OSにAndroidを用い、インターネット接続用に有線LAN(BOXタイプ)あるいはWi-Fiを備え、USB、HDMIなど各種出力端子を搭載している。

 今回報告する2製品はともに、Amazonなどでも取り扱われている製品で、利用者の評価の平均も、星(☆)3つ以上と高い。

Qualcommに真っ向から挑むHiSilicon

 図1に示すのは、中国HiMediaが提供する、BOXタイプのAndroid Media Player「Q2」だ。2005年に創業されたHiMediaは、Android TVなどの設計から製造までを行う、比較的歴史の長い会社の一つである。自社で製造するだけでなく委託生産も行っているようだ。

HiMediaの「Q2」 図1 HiMediaの「Q2」(クリックで拡大)

 筐体を分解すると基板が一枚入っているだけで、他には何もない。基板には複数のチップが並んでいて、大きく分けると3つのチップ群が搭載されている。

1)プロセッサ+メモリ
2)Ethernet LAN、USB(ハブコントローラー)
3)Wi-Fi

 HiMediaのWebサイトに掲載されている情報には、同社が台湾Realtek、中国HiSiliconと戦略的パートナー契約を結び、チップおよび技術提供を受けていることが明記されている。HiMediaのQ2は、メモリチップを除けば、全ての半導体チップが台湾製か中国製だ。上記で述べた3つのチップ群は、1)が中国製、2)と3)が台湾製である。

 具体的に1)は、図2に示す中国HiSilicon製の「Hi3718」である。HiSiliconは、中国の大手通信機器メーカーHuaweiの半導体部門として1991年に設立され、2004年に独立法人となった、現在最も成長している中国半導体メーカーの1つである。HiSilicon製チップは、Huaweiのスマートフォンに採用されていることはもとより、監視カメラの画像信号処理やMedia Playerの信号処理にも数多く使われている。

HiSiliconの「Hi3718」 図2 HiSiliconの「Hi3718」(クリックで拡大)

 HiSiliconは、特にスマートフォン向けのチップセットでは、現在Qualcomm、台湾MediaTekに並んで最も充実したチップセットを供給できるメーカーの1つにまで成長している。HiSiliconのチップセットは「Kirin(麒麟[きりん])」と名付けられているが、このネーミングからして、QualcommのSoC「Snapdragon」の「dragon」(龍)への対抗意識がむき出しになっているのがよく分かる。

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