システム設計者を悩ませる制約条件 : 福田昭のデバイス通信 ARMが語る、最先端メモリに対する期待(2) (2/2 ページ)
理想的には、ディスプレイ用データ伝送の帯域幅はいくらでも欲しい。例えば8個のCPUコアが64ビット幅のデータを2GHzの頻度で扱うと、必要な帯域は128Gバイト/秒に達する。現在のスマートフォン向けプロセッサだと、理想的にはこの程度の帯域を必要としていることが分かる。
しかし現実的には、そううまくはいかない。まず消費電力の制約がある。次にコストの制約が帯域幅を締め付ける。考慮すべき要件は少なくない。実現可能な帯域幅には上限があり、消費電力と消費エネルギーと温度上昇(放熱)にも制約がある。遅延時間や寿命、業界標準なども考慮すべきだろう。
そして何より、コスト(予算)の制約がある。製造コスト、製造リスク、設計コスト、そして時間(開発期間、あるいは納期)。これらの制約を満足させなければ、現実的なシステムとはならない。
ディスプレイ用データの伝送におけるシステム要件(クリックで拡大) 出典:ARM
(次回に続く)
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