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仮想記憶(仮想メモリ)の基礎福田昭のデバイス通信 ARMが語る、最先端メモリに対する期待(9)(2/2 ページ)

» 2016年03月15日 09時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]
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仮想メモリを採用したシステムの実行環境

 仮想メモリを採用したシステムの例を示そう。複数のゲストOSの上で複数のアプリケーション・プログラムが動くシステムである。階層化された実行環境を図示する。

 ゲストOSの下層には、管理プログラムである「仮想マシンモニター(VMM:Virtual Machine Monitor)」あるいは「ハイパーバイザー」が存在しており、複数のゲストOSを切り替えて動作させる。

 ゲストOSが利用する仮想アドレスは、物理アドレスの全てに対応している訳ではないのだが、ゲストOSはそのことを自覚していない。VMMは独自のページ・テーブルを備えることで、複数のゲストOSのアドレスが干渉しないように、各OSを物理アドレスに割り当てている。つまり、アドレスの変換は2段階になる。

 最初の変換は、ゲストOSのページ・テーブルで実行する。仮想アドレスは物理アドレス(中間アドレス)に変換される。2回目の変換は、VMMのページ・テーブルで実行する。中間アドレスが物理アドレス(真の物理アドレス)に変換される。

仮想メモリを採用したシステムの実行環境。左側は通常(ノンセキュア)な実行環境。右側はセキュアな実行環境(クリックで拡大) 出典:ARM

(次回に続く)

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