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移動しながらでも高精度な測定できる変位センサーオムロン「検査時間を50%以上短縮」

オムロンは、センサーヘッドを移動しながら高精度に測定できる「白色共焦点方式」を搭載した変位センサーを発表した。白色共焦点方式により、センサーヘッドの向きを調整したり、静止させたりする必要がないという。販売開始は、2016年4月1日からとしている。

» 2016年03月30日 10時30分 公開
[庄司智昭EE Times Japan]

 オムロンは2016年3月29日、移動しながらでも高精度に測定できるファイバー同軸変位センサー「ZW-7000シリーズ」を発表した。品質検査において、従来のセンサーは、センサーヘッドを移動させながら連続して曲面や光沢面のある対象物を測定すると、測定誤差が生じていた。そのため、ヘッドの向きを調整したり、静止させたりする必要があり、高精度な計測と検査時間短縮の両立は困難だったという。

 ZW-7000シリーズは、材質や形状の異なる部品が混在しても、センサーヘッドを移動しながら高精度に測定できる「白色共焦点方式」を搭載。サイズは従来比3分の1となり、スペースの制約がある場所でも複数のセンサーヘッド設置可能にしたため、「高精度な計測と検査時間短縮を両立できる」(オムロン)と語る。

ファイバー同軸変位センサー「ZW-7000シリーズ」 出典:オムロン

EMC対策や熱対策が不要

 白色共焦点方式とは、センサーから白色光を波長別に集光位置を変化させて照射し、焦点を結んだ波長光だけを反射光として受光し、その色情報で高さを測定する原理である。従来のレーザー三角測距方式では、測定対象物の表面のざらつきのために発生する多重反射光をセンサーが受光する仕組みのため、移動動測定が不安定となる。

 白色共焦点方式では、測定に関係のない多重反射光は受光しないため、ざらつきのある粗面(そめん)を移動しながら測定しても安定して正しく測定が可能になる。

 また、位置同期機能(EtherCAT同期/外部トリガー同期)を搭載し、移動と測定タイミングを正しく同期できるため、移動しながら狙った箇所を高精度に測定可能。これらにより、測定対象物に合わせたセンサーヘッドの購入や取り付け調整が不要となり、立ち上げ工数を低減できるとする。センサーヘッド部が光学部品のみで構成されており、EMC対策や熱対策がいらないのも、工数の削減につながっている。

従来方式と「白色共焦点方式」の変位センサーの違い (クリックで拡大) 出典:オムロン

 ZW-7000シリーズのサンプリング周期は、最速20マイクロ秒。重さは約180gで、サイズは30×30×76.25mmである。ラインアップは、ZW-S7010/ZW-S7020/ZW-S7030の3種類で、ZW-S7010の測定範囲は10±0.5mm、スポット径は直径50μm以内、静止分解能は0.004μmとなっている。販売開始は、2016年4月1日としている。

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