CX3300シリーズは、本体と電流センサーで構成される。本体には、分解能14ビット、サンプリングレート1ギガサンプル/秒(Gs/s)の高速/高分解能A-Dコンバーターを搭載。なお、同A-Dコンバーターは、プレシジョンモードを備え、75Ms/sのサンプリングレートであれば分解能を16ビットまで高めることができる。これにより、40nAから10Aという極めて広いダイナミックレンジの電流を1つの計測器で測定できるようになった。
専用の電流センサーとしては、用途、計測レンジに合せて3種類のセンサーを用意。CX1101Aは、40nAから10Aの電流レンジに対応し、最大周波数帯域は100MHz。±40V範囲のコモンモード電圧での測定が行える汎用的な電流センサーだ。CX1102Aは、2チャンネルの電流センサーで、40nAから1Aまでの範囲を、最大周波数帯域100MHzで測定可能。1チャンネルは200mAレンジで、もう1チャンネルは2mAレンジで測定するといった広いダイナミックレンジと高分解能を両立する電流センサーとなっている。
もう1つのCX1103Aは、ピコアンペアクラスの超小電流の測定用センサーだ。CX1101A/同02Aは、シャント抵抗型電流センサーだが、CX1103Aはトランスインピーダンス型電流センサーだ。測定レンジは、150pAから20mA、±0.5Vコモンモード電圧とローサイドでの使用に限られるが、最大200MHzの周波数帯域を持ち、材料評価などで求められる超微小電流測定ニーズに応えた。
「低ノイズの電流センサー、高分解能なA-Dコンバーター、最大100〜200MHzの周波数帯域により、これまで見えなかった1mA以下の低電流領域で、電流スパイクなど瞬発的な電流波形を捕捉できるようになった」(キーサイト・テクノロジー マーケットデベロップメントマネージャーの佐藤孝宏氏)とする。
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