Intelをはじめとした半導体メーカーは「ムーアの法則」に従うように、ほぼ2年に1度のペースで新たな微細プロセステクノロジーを導入し進化を続けてきた。しかし、近年は少しその様子が変わりつつある。特に台頭著しい新興メーカーは、独自のペースで進化を遂げてきている。
半導体チップはおおよそ過去30年間、「ムーアの法則」と呼ばれる経験則に従って微細化を進めてきた。
過去10年間でも、
「130nm→90nm→65nm→45nm→32nm→22nm→16nm」
という微細化が実現された。
この数字はあくまでも指標数字であって、各メーカーによって若干の差異がある。90nmのデザインルールで製造したものをフルノードと呼び、90nmのルールで設計されたデータを0.9倍したもの(各辺を0.9倍するので面積は0.81になる=20%縮小)をハーフノードと呼んでいる。
厳密に上記に上げた微細化をフルノード、ハーフノードまで入れて記載すると以下のようになる。
「130/110nm→90/80nm→65/55nm
→45/40nm→32/28nm→22/20nm→16/14nm」
である。
これらプロセステクノロジーの微細化はほぼ2年おきに達成されており、当初はフルノードで製造をスタートし、歩留まりの安定や性能の余裕が確認できた上でハーフノードに切り替える使われ方が多かった(80nmまで)。
しかし20%弱面積が異なる(すなわちコスト削減につながる)ハーフノードは、40nm→28nm世代ではTSMCなどを中心に、各世代の初期生産から適応して、フルノードを主力とするIntel、Samsung Electronicsらに対して差別化を行った。
半導体製造大手3社がこれまで採用してきたノードは次の通りだ。
こうしてみると45nm以降の微細化において、大手3社の歩みは必ずしも一致しておらず、Intelのみが4世代を4回の開発で済ませており、他の2社は、4世代のうち1つの世代でフルノードとハーフノードの両方を開発する手間を踏んでいる。
多くの半導体メーカー、ファブレス企業はプロセステクノロジーの微細化/進化をおおよそ同じ速度で採用し、製品を進化させてきた。
このように、大きな開発リソースを持つ大手デバイスメーカーといえども、フルノード/ハーフノードという全てのプロセステクノロジーを経ていないのが実情だ。
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