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田淵電機の欧州子会社、PCIMでトランス群を披露12年ぶりに設けた欧州拠点

田淵電機の子会社であるMarschner Tabuchi Electricは「PCIM Europe 2016」(2016年5月10〜12日、ドイツ・ニュルンベルク)で、トランスやチョークコイルなどを展示し、幅広い製品群を持つことをアピールした。

» 2016年05月19日 08時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

 Marschner Tabuchi Electricは、田淵電機が、ドイツのトランスメーカーだったMarschner(マルシュナー)を2015年10月に子会社化して誕生したメーカーだ。PCIM Europeへの出展は今回が初めてとなる。同社のプレジデント兼CEO(最高経営責任者)を務めるHermann Springindschmitten氏は、出展の理由として「PCIMは、パワーエレクトロニクスやトランス、電源に焦点を当てた展示会として非常に重要だからだ。また、2015年10月に田淵電機のグループ会社になったので、顧客に知ってもらうためにもよい機会になる」と語った。

「PCIM Europe 2016」では大きなブースを構えていた(クリックで拡大)

 Springindschmitten氏が「この展示会では、当社が非常に幅広い製品群を持っていることをアピールしたい」というように、50Hz/60Hzのトランスや2相/3相のトランス、リアクター、トロイダルチョークコイル、電源などが展示された。

展示品の一例。トロイダルチョークコイル(左)とDC-DCコンバーター(クリックで拡大)
こちらは、旧Marschnerが開発してきたトランス(左)と、3相トランス(クリックで拡大)

 Springindschmitten氏は、田淵電機の子会社となったことの相乗効果として「旧Marschnerではトランスは50Hz/60Hz品しか扱っていなかったが、田淵電機の50Hz/60Hz以上の高周波トランスも顧客に提供できるようになった。日本での販路を確保できることも大きい」と話す。

12年ぶりの欧州拠点

Marschner Tabuchi Electricのプレジデント兼CEOのHermann Springindschmitten氏

 販路の確保の点では田淵電機にとっても旧Marschnerを買収した意味は大きい。田淵電機は1940年にトランス事業に参入し、「ZEBRA」ブランドとしてトランスを展開してきた。海外市場でのシェア拡大を狙い英国に拠点を持つが、2004年に閉鎖している。こうした中、旧Marschnerの持ち分の90%を取得して子会社化したことは、欧州へのアプローチを強化する上で重要になる。特に、田淵電機は「産業機器」「医療機器」「自動車/輸送機器」「エネルギー」の4つを注力分野として据えていて、産業機器や自動車が強いドイツに拠点を置くことは強みになるとみられる。

 Springindschmitten氏は、Marschner Tabuchi Electricの今後の製品ロードマップとして、50Hz/60Hz以上から20kHzまでの範囲の高周波トランスと、電気自動車向け製品の開発に注力すると述べた。電源については、特に産業機器分野でニーズが高いカスタマイズの対応も、より強化していくという。

取材協力:Mesago PCIM】

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