また、世界半導体メーカー上位5社の合計市場シェアについては、2015年までの40年間、ほぼ横ばいの状態だ。トップ10社も同様の傾向にある。さらに、世界半導体メーカー上位50社の合計市場シェアは、確実に減少傾向にあり、ここ10年間で10%も低下している。
2015年のトップ10社の合計市場シェアは増加しているが、過去最高を記録した1984年当時と比べると、2.5%の増加にとどまる。それでも、ほんの数社の合併買収によって合計市場シェアが突然増加したのは、異例のことだといえる。現在とこれまでの60年間とでは、何が違うのだろうか。
半導体業界は、ムーアの法則によってけん引されているという点が1つの特徴だ。ムーアの法則を継続するために新しい技術が生まれ、それによって半導体業界のリーダー企業の顔触れが入れ替わってきたのだ。トップ10社の半導体メーカーが定期的に入れ替わり、過去50年間でその半分以上がランク外へと消え去っている。
上の図のように1950年代はゲルマニウムトランジスタのメーカーが上位を占めていたが、これは後にシリコントランジスタメーカーに取って代わった。1960年代はバイポーラIC、1970年代はMOS型メモリ、1980年代はMOS型マイクロプロセッサ、1990年代はSoC(System on Chip)のメーカーが台頭し、直近の10年間ではワイヤレス通信やファブレス企業が上位に上がっている。
半導体業界は、大規模な合併という新しい時代に突入したのかもしれない。だが、60年以上の歴史のうちほんの1〜2年の動向を見てそう判断するのは早計なのだろうか。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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