Apple Watchと大きく異なる点は図3に掲載したベルトに、GSM用のアンテナが埋め込まれている点だ。このアンテナは配線を経由してメインの基板のアンテナ端子につながっている。分解のためにベルトをベゼル部から分離したが、実際にはベルトはベゼルに組み込まれていて、ユーザーが取り外して交換することができない構造になっている。
Apple Watchは、簡単に分解できない。しかしC600は、裏蓋が爪で留められているだけなので、簡単に外すことができる。簡単に裏蓋が外せることで、GSM用のSIMカードを挿入できるわけだ。
さらにユニット化されたリチウムイオン電池が装着されている。充電は、本体横にあるマイクロUSB端子から行う。電池容量は380mAhとスマートウォッチとしては比較的、大き目だ(Apple Watchは205mAh)。筐体内部のほぼ半分の体積は、電池にあてがわれている。
図4はC600の基板の様子である。
基板の片面にはチップは実装されず、カメラユニットが組み込まれているだけである。基板の反対面にはチップやランド端子が並ぶ。ランド端子はタッチコントローラ用、ディスプレイ用の他、バッテリー端子、アンテナ端子が存在する。ICスロットは2つ。GSM用のSIMスロットと外部メモリ用のSDカードスロットである。基板直結部品としては上記以外にもスピーカー、マイクロフォンがある。
メイン基板にはファンクションチップがわずかに4つ並ぶだけである。ディスプレイ側フレキシブル基板にはタッチコントローラICが組み込まれている。それを合わせてもC600は、わずかに5つのファンクションチップで構成されていることになる。
メイン基板上の4つのチップは、中国GigaDeviceのシリアルフラッシュメモリ、STMicroelectronicsの3軸加速度センサー、中国RDAのGSM用通信トランシーバーとプロセッサチップである。プロセッサチップは台湾MediaTek製だ。
チップのメーカー所在地構成は、台湾2社、中国2社、欧州1社となっている。
MediaTek製のプロセッサチップの詳細は、パッケージ開封を経て、本連載の中で、内部を詳細報告する予定なので、今回は詳細には触れない。
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