“垂直指向のサービス”から抜け出すためのIoT基盤 : ノキアが「IMPACT」を国内で本格展開へ (3/3 ページ)
ニュージーランドのブロードバンドプロバイダーであるChorusは、IMPACTを使った「Connected Bus Shelter」のサービスを試験的に提供(トライアル)している。これは、バスの待合所にブロードバンド回線を実装し、“IoTハブ”として機能させる試みである。ビジネスモデルとしては、以下のようなケースが考えられる。
待合所に設置したディスプレイに、バスのリアルタイムの運行情報などとともに広告を表示して、収入を得る
キャリアがスモールセルを設置して、待合所をモバイルネットワークのバックホールにして、接続料を得る
センサーなどのデバイスを設置して、設置料やアクセス料を得る。もしくは、デバイスから収集したデータおよび解析結果を販売する
Chorusのトライアルは、単一のデータが単一の市場でしか使われない“垂直指向”のIoTビジネスモデルから抜け出し、さまざまな市場に横展開できる拡張性の高いIoTサービス基盤を作っているという点で、分かりやすい事例だといえるだろう。
「Connected Bus Shelter」のバス待合所のイメージ。Connected Bus Shelterのプロジェクトに参加しているDownerの動画 をキャプチャーしたもの
IMPACTの価格について西原氏は、接続されるデバイスの数をベースに決定していくと説明した。また、データを解析されることに抵抗がある場合は、解析機能だけを除いてIMPACTを提供するなど、柔軟な対応が可能だという。
「携帯電話機や通信機器を提供するメーカー」という印象が強いノキアだが、西原氏は「2016年にアルカテル・ルーセントを統合したことで、宅内装置や端末から基地局、さらにはアプリケーションやサービスまで、ネットワークのエンド・ツー・エンドに対応できるようなメーカーを目指す。IoT時代において、企業が新しいビジネスモデルを作り出し、収益を上げていくための基盤として、また、どの企業でもプレイできるような基盤として、IMPACTを提供していきたい」と語った。
“人の目を超える”、UWBを使った3Dセンサー
イスラエルのVayyar Imagingが開発した「3Dセンサー技術」は、超広帯域(UWB:Ultra Wide Band)無線周波数を利用して、対象物を画像化するものだ。乳がんの検査用に開発されたこの技術は、ガス管の検査からセキュリティチェック、高齢者の見守り、食品の組成検査まで幅広い分野に応用できる可能性がある。
“IoTの勝者 ARM”買収でソフトバンクが狙うもの
ソフトバンクグループが2016年7月18日、半導体設計用IPベンダー大手のARMを買収した。ソフトバンクとARMとは直接的な関係性はなく、買収による相乗効果は見えにくい。なぜ、ソフトバンクはARMを買収するのかを考えたい。
最初の照準は東京五輪、5G開発を加速する日本勢
本連載では、5G(第5世代移動通信)の開発が進んでいる5つの国/地域に焦点を当て、その最前線をノキアの視点でお届けする。第2回となる今回は日本を取り上げる。2020年の東京オリンピックを控え、5Gの商用化に向けた議論が加速してきている。
5Gでは周波数帯で世界的な協調が必要に
Ericssonは、モバイル通信市場を包括的に分析したレポート「エリクソン・モビリティ・レポート」を年に2回発行している。同社の日本法人であるエリクソン・ジャパンは2016年7月5日、同レポートの最新版となる2016年6月版の内容を説明する記者発表会を行った。モバイル通信市場の最新動向に加え、3GPPによる5G(第5世代)標準化活動のアップデートについても説明した。
“第4の夜明け”迎えたWi-Fi、サービスが課題に
EE Times Japanに掲載した記事を読みやすいPDF形式の電子ブックレットに再編集した「エンジニア電子ブックレット」。今回は、無線LANビジネス推進連絡会が開催した技術セミナーから、活性化するWi-Fiの市場について紹介します。
BluetoothをWi-Fiとして“再利用”、米大学が開発
米大学が、ある無線信号を別の無線信号に変換する技術を開発した。埋め込み型医療機器など、使用できる電力に制限のある機器において、消費電力を気にせず、スマートフォンなどとの無線通信ができるようになるかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.