IBMが、25Gビット/秒(Gbps)の帯域幅を実現する新インターコネクト技術「OpenCAPI」を発表した。データセンターのサーバの性能を10倍に引き上げることを目指す。
IBMは、25Gビット/秒の伝送速度を実現するサーバ向けインターコネクト技術「OpenCAPI(Open Coherent Accelerator Processor Interface)」の詳細を発表した。同インターコネクト技術で、同社の最新プロセッサ「POWER9」をアクセラレーターと次世代メモリに接続する。データセンターのサーバの性能を10倍、引き上げることが可能だという。
OpenCAPIは、2016年10月初めにCCIXとGen-Zがそれぞれ発表した25Gビット/秒のインターコネクト技術と同様の機能を実現する新しい物理層とプロトコルだ。
IBMは、「OpenCAPIはCCIXやGen-Zに比べて帯域幅が広く、レイテンシ(遅延時間)が小さい。さらに、より性能を高めるためのロードマップも用意している」と主張している。しかし、CCIXとGen-Zがそれぞれ約20社のパートナー企業を獲得しているのに対し、OpenCAPIに参加している企業は現時点ではまだ8社である。
OpenCAPIは、CCIXがベースとする「PCI Express Gen 4」の約5倍となる150〜160Gバイト/秒の帯域幅の実現を目指している。同インタフェースは、メモリをロード/保存する動作を約100ナノ秒の往復レイテンシで実行できるという。
OpenCAPIコンソーシアムには、AMD、Dell EMC、Google、HPE(Hewlett Packard Enterprise)、Mellanox Technologies、Micron Technology、NVIDIA、Xilinxが参加している。CCIXとGen-Zに対抗するエコシステムを構築するには、CaviumやQualcommなどARMベースのSoC(System on Chip)を手掛けるメーカー(以下、ARM SoCメーカー)やメモリベンダーの加入が必要だ。
OpenCAPIは、CCIXやGen-Zと同様に、ARMベースのプロセッサやPOWER、x86プロセッサとさまざまなストレージクラスメモリに対応することを目指している。ただし、同コンソーシアムには今のところ、主要なARM SoCメーカーは参加しておらず、AMDはx86チップに同接続技術を利用するとは確約していない。
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