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開発エコシステムで、無線機器の開発期間短縮MWE 2016レポート

Analog Devices(アナログ・デバイセズ/ADI)は、「MWE(Microwave Workshops&Exhibition) 2016」で、ワイヤレスシステム設計を容易にする開発エコシステム「RadioVerse」による「SDR(ソフトウェア無線)デザインプラットフォーム」などを紹介した。

» 2016年12月05日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

ワイヤレスシステムの設計を簡略化

 Analog Devices(アナログ・デバイセズ、以下ADI)は、「MWE(Microwave Workshops&Exhibition) 2016」(2016年11月30日〜12月2日、パシフィコ横浜)で、ワイヤレスシステム設計を容易にする開発エコシステム「RadioVerse」による「SDR(ソフトウェア無線)デザインプラットフォーム」や、自動車、ドローン、ロボットなどの用途に向けた「24GHzレーダープラットフォーム」などを展示した。特に、ブースではパートナー企業との連携による具体的なシステム提案が目立った。

 ADIが2016年5月に発表したRadioVerseは、ワイヤレスシステムの開発を簡素化、そして迅速化するための開発エコシステムの総称である。RadioVerseでは、ADI製RFトランシーバーICの他、ソフトウェアAPI、設計サポートパッケージ、技術資料およびユーザーの設計事例などが提供される。また、トランシーバーICの検証モデルも用意されており、MATLAB/SimulinkによるRFシステムのモデルベース設計も可能だ。

 展示ブースでは、RadioVerseによるSDRデザインプラットフォームのデモ展示を行った。アヴネット製のシステムオンモジュール(SOM)「PicoZed SDR」には、ADI製RFトランシーバーIC「AD9361」とXilinx製Zynq-7000 All Programmable SoCが搭載されている。パートナー企業のマリモ電子工業は、MathWorks製「MATLAB/Simulink」モデルベース設計で開発したデジタル変復調処理機能を、このPicoZed SDRに実装し、QPSKデジタル無線機を実現している。ブースではこの開発事例を紹介した。

 なお、ADIは広帯域RFトランシーバーICシリーズとしてAD9361の他、RF周波数帯域が300M〜6GHz、信号帯域幅100MHz、標準動作条件で消費電力を5W未満に抑えた「AD9371」も新たにラインアップした。

「SDRデザインプラットフォーム」のデモの模様

レーダーソリューション、小型モジュールで提供

 また、サクラテックは同社が開発した24GHz MIMO FMCWレーダーセンサーモジュール「miRadar 8」とUSBカメラを組み合わせたレーダーソリューションのデモ展示を行った。miRadar 8には、ADI製レーダーチップセットが搭載されている。MIMOアンテナと組み合わせ、外形寸法が76×104mmの小型モジュールに仕上げた。

「miRadar 8-EV」によるデモ。手にしているのはmiRadar 8

 レーダーセンサーは、対象物の色や天候の影響を受けずに距離測定が行え、目標物が存在する方位角の特定などが可能である。「車載用途やドローン、サービスロボットなどに適している。最近は心拍の検知などにもレーザーセンサーが用いられている」(説明員)という。サクラテックは、USBカメラ映像にレーダー検出イメージを重ねて表示することができる24GHzレーダー評価キット「miRadar 8-EV」も用意している。ブースではこの評価キットを用いて、人物検出のデモを行った。

 この他、JESD204Bインタフェース規格に対応したA-DコンバーターIC「AD9680」やD-AコンバーターIC「AD9144」、DC〜14GHzまで対応可能なSP4T型RF MEMSスイッチ製品「ADGM1304」なども展示した。

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