日本時間2016年7月27日の朝、国内半導体業界にも衝撃が走った。営業利益率4割を超える超優良半導体メーカーLinear Technology(リニアテクノロジー)が、Analog Devices(ADI、アナログ・デバイセズ)に買収されることで合意したという。業界関係者は「まさかリニアが!」と驚くとともに、「なぜ、リニアが?」と首をひねった――。
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まさか、あのリニアテクノロジーが買収されるとは――。
2016年7月26日(米国時間)にAnalog Devices(ADI、アナログ・デバイセズ)がLinear Technology(リニアテクノロジー)を買収すると発表した。共に米国に本社を置く、大手アナログ半導体専業メーカー。買収額148億米ドルであり、2011年にTexas Instruments(TI)が65億米ドルでNational Semiconductor(NS)を買収して以来の、アナログ専業メーカー間の大型M&Aとなった。
アナログIC最大手のTIがNSを買収して以来、アナログIC業界でM&Aを模索する動きは続いていた。多くのメーカーがシェアを分け合うアナログIC市場において、TIがNSを買収して2位に大差をつける絶対的なシェア首位となり、2位以下のメーカーがTIを追うべくM&Aを模索してきた。Infineon TechnologiesによるInternational Rectifier(IR)の買収、ON SemiconductorによるFairchild Semiconductorの買収(成立見込み)などだ。他にも、今回の主役であるADIによるMaxim Integrated買収などのウワサも絶えずあった。
そのような中でもLinear Technologyに限っては、そうしたアナログIC業界の再編劇とは無縁の存在と目され続けてきた。
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