この他、2016年10月には、Dell EMCとともに、救急隊員の体調(バイタルデータ)と位置を把握する技術の実証実験(Proof of Concept)を行ったと発表した。救急隊員に、心拍などのバイタルデータを取得するためのスマートセンサーを搭載したベストと、位置情報センサーを搭載したブーツを身に着けてもらい、リアルタイムでデータを取得する。全米防火協会(NFPA:National Fire Protection Association)が2016年10月に発表したデータによると、2015年における消防士の負傷件数は約6万8000件だという。そのうち27%が、過度な緊張や疲労の蓄積など、実際の消火活動とは無関係な要因によるものだ。今回の実証実験は、救急隊員のバイタルデータと位置情報をリアルタイムにトラッキングすることで、そうした負傷事故を防ぐことを目的としている。
左=IoT開発向けセンサープラットフォーム「FastStart IoT」(赤い矢印)。写真は、装置に取り付けた振動センサーとFastStart IoTを接続し、装置の振動データをリアルタイムで計測するデモ/右=「WORLD OF IOT」で展示した、心拍数を測定するスマートウォッチ。LEDの緑色の光を動脈の血流に当て、反射した光の量との差分から、心拍数を計算している。ADIの光センサーやA-DコンバーターIC、マイコンなどが搭載されている(クリックで拡大)
IoTが変える未来 SEMICON Japanで動向を探る
マイクロエレクトロニクス製造サプライチェーンの展示会「SEMICON Japan 2016」が、2016年12月14〜16日にかけて、東京ビッグサイトで開催されている。注目の1つが今回で3回目を迎える「WORLD OF IOT」だろう。本記事では、その一部を写真で紹介する。