家庭用テレビゲーム機「任天堂ファミリーコンピュータ」の発売からおおよそ“1/3世紀”を経た2016年11月にその復刻版といえる「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」が発売された。今回は、この2つの“ファミコン”をチップまで分解して、1/3世紀という時を経て、半導体はどう変わったのかを見ていく。
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2016年11月10日、任天堂から家庭用テレビゲーム機「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」が発売された。往年の「任天堂ファミリーコンピュータ」、いわゆる“ファミコン”のゲームソフト「30タイトル」が予め収録されたHDMI出力のゲーム機である。発売後しばらくは軒並み品切れ状態が続くほどであった。
筆者が代表を務めるテカナリエでは、発売早々にニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータを入手。実際にゲームを少し楽しんだ後、分解を行った。今回、ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ(以下、クラシックミニ)とともに、おおよそ1/3世紀前の1983年にデビューした初代ファミコンの分解も行った。ファミコンは、PCやスマートフォンのなかった時代の身近なコンピュータの1つであった。
図1は、初代ファミコンとクラシックミニを並べた様子である。
クラシックミニは復刻版的要素が強い商品で、小型になったとは言え、筐体の基本デザインはほぼ同じだ。初代機はゲームソフトをカートリッジ(カセット)として提供したのに対して、クラシックミニは予め本体内部のストレージにゲームソフトが内蔵されているので、カートリッジ差し込み口のフタは開閉できないものになっている。
実際にゲームをプレイしてみると、コントローラーの小ささが気になった。本体を小型化したのは良いがコントローラーまでも小型化した点はややマイナスポイントに受け取るユーザーもいるだろう。画面出力はHDMIになって、現在のほとんどのディスプレイに簡単に接続でき、ちらつきや歪みもなく安定した画像でゲームを楽しめた。
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