スマートフォン大手の中国Huawei(ファーウェイ)は、ハイエンドモデルだけでも年間2モデル発売する。2016年も6月に「P9」を、12月に「Mate9」を発売した。今回は、これら2つのハイエンドスマートフォンを分解し、どのような違いがあるか比べてみる。
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2016年末、中国Huawei Technologies(ファーウェイ・テクノロジーズ)はスマートフォンのフラグシップモデル「Huawei Mate9」を発売した。HuaweiはApple(アップル)やGoogle(グーグル)などの米国メーカーと異なり、たった1つのプラットフォームでスマートフォン市場に対応しているわけではない。多くのモデルを売り出し、ロー、ミドル、ハイの3つの市場に製品を提供する(Samsung Electronics[サムスン電子]も同じモデルを展開)。ハイエンド系は「P」シリーズと「Mate」「Ascend」などのシリーズを持ち、ミドルは「P Lite」「Honor」などのシリーズを持っている。Pシリーズは毎年前半に、Mateシリーズは後半に最新機種をリリースする。2016年も前半に「P9」が発売され1000万台を超える販売実績を残し、上記のように年末には「Mate9」が発売され、ハイエンド仕様で多くの話題をさらっている。
図1は2016年前半に売り出された「P9」のカメラ部の様子である。
1枚の写真を撮るのに2つのカメラユニットを使用する「デュアルカメラ」になっている。Appleも2016年9月に「iPhone7 Plus」でデュアルカメラ搭載機を発表したが、Huaweiはそれよりも3カ月早い、2016年6月にデュアルカメラ搭載機を発売したことになる。
デュアルカメラ自体は2011年にシャープが「AQUOS PHONE SH-12C」で、2014年に台湾HTCがOne M8でそれぞれ採用した。しかしその後、シャープもHTCも後継のデュアルカメラ搭載機種を出すことはなく、一過性の機能に見えた。
そうした中で、中国メーカーが“第2次デュアルカメラ時代”の幕開けを告げる端末を発売したと言える。Huaweiは、デュアルカメラ搭載機をP9、 Honor8と立て続けに製品化し、2016年末のMate9では、性能、仕様をブラッシュアップして、3機種連続で採用したことになる。
図1に戻ろう。P9のカメラは、ソニー製CMOSイメージセンサーを用い、ドイツの老舗レンズメーカー「Leica(ライカ)」との共同で開発したレンズを使っている。なお、HuaweiとLeicaは、P9の発売後の2016年9月に共同で研究開発センター「Max Berek Innovation Lab」を設立した。同センターでは新光学システムやコンピューテーショナルイメージング、バーチャルリアリティー、拡張現実の分野での研究開発を実施するという。
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