エスエス電子は「第18回 電子部品・材料EXPO」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)で、異常発熱や焼損事故を防止する保護素子を搭載したUSB Type-Cケーブルを展示した。
USBコネクターの最新規格である「USB Type-C(以下、Type-C)」。裏表がなく、データ転送速度は最大10Gビット/秒(Gbps)で、「USB Power Delivery(PD)」の対応で給電も可能になっている。Appleが、2015年3月に発表した新型「MacBook」に搭載したことでも話題を呼んだ。
一方で、充電電流が大きくなることから、コネクターの異常発熱や焼損といった事故が発生する可能性も高くなっている。例えばAppleは2016年2月、「2015年6月までMacBookに同梱されていたType-Cケーブルの一部が、設計上の問題に故障することがある」として、充電ケーブルの回収と交換を行っている。
ネットワークケーブルやAVケーブル、コンピュータアクセサリーのOEMメーカーであるエスエス電子は「第18回 電子部品・材料EXPO」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)で、こうした異常な発熱や焼損を防ぐための保護素子を搭載したType-Cケーブルを展示した。
保護素子は「PPTC(正特性サーミスターポリスイッチ:Polymeric Positive Temperature Coefficient)」「Breaker(ブレーカー)」の2種類がある。
PPTCは、ポリマーの樹脂にカーボンを練り込んだものを金属箔で挟んだ素子だ。電流が大きくなり異常に温度が高くなると、カーボンの分子結合が切れてPPTCの抵抗が高くなる。これによって、大電流がコネクター側に流れ込むことを防ぐ。120℃あるいは10Aを超えると、保護動作を開始する。耐圧は約6Vだという。
このような保護素子は、ノートPCのバッテリーなどでは既に使われているが、今後はType-Cコネクター/ケーブルにもこうした保護素子が必ず必要になってくるとエスエス電子は強調する。
Breakerは、文字通り機械的な構造だ。PTC(サーミスター)の上にバイメタルと金属プレートがある。通常はその金属プレートに電流が流れているが、過熱や過電流による発熱によって、バイメタルが金属プレートをはね上げ、PTC側に電流が流れるようになる。それによって、トリップした状態を維持する。80℃あるいは8Aを超える(ただし構造により電流値は異なる)と保護動作を開始する。耐圧は約28V。
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