Microsemi(マイクロセミ)は、ミッドレンジFPGA市場へ本格進出する。競合製品に比べて電力消費を最大50%削減しつつ、クラス最高レベルのセキュリティを実現した「PolarFire」ファミリーを発表した。
Microsemi(マイクロセミ)は2017年2月14日、競合製品に比べて電力消費を最大50%削減しつつ、クラス最高レベルのセキュリティを実現したミッドレンジFPGA「PolarFire」ファミリーを発表した。低消費電力で価格性能比に優れた製品群を加えることで、通信やインダストリ4.0分野などで需要が拡大するミッドレンジFPGA市場へ本格進出する。
同社は、プログラマブルロジック事業で30年の歴史を持つ。放射線性能を強化したアナログミックスドシグナル集積回路やFPGA、SoCといった製品を、航空宇宙/防衛システムや通信装置、データーセンター用装置などに向けて供給している。FPGAは、ロジックエレメント(LE)数が最大150kの低集積FPGAを主体に事業を展開してきた。
今回発表したPolarFireファミリーは、同社にとって第5世代となるFPGA製品。1〜40Gビット/秒のデータ転送レートが要求される用途などを主なターゲットとして開発した。ミッドレンジFPGAの性能とローエンドFPGAの価格を兼ね備えた製品である。
LE数は最大500の集積度とし、12.7Gビット/秒のシリアライザー/デシリアライザー(SerDes)トランシーバーを搭載している。主要ターゲット向けに機能や性能を最適化することで、少ない電力消費と高い価格性能比を両立した。
PolarFireファミリーは、標準的なCMOSプロセスをベースとする28nmのSONOS(Silicon Oxide Nitride Oxide Silicon)不揮発性プロセス技術を、同社として初めて採用した。マイクロセミのSoC製品グループで、プロダクトラインマーケティングのシニアディレクターを務めるShakeel Peera氏は「SONOS技術を用いることで、従来のプロセス技術に比べ、トンネル酸化膜を薄くしても同等の信頼性を実現できる」という。
この結果、これまではプログラミング、消去電圧として17.5Vが必要だったが、新製品は7.5Vで済む。これにより、トランジスターの集積度も高めることができ、コスト低減を可能とした。ミッドレンジFPGA向けに開発した12.7Gビット/秒のSerDesトランシーバーを採用したことも、面積効率などの点でコスト最適化を可能にしたという。
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