また、不揮発性プロセスをベースとしているため、SRAMベースの同等FPGAに比べてリーク電流は極めて小さい。100kLE製品のスタティック電力は25mWと、競合製品の10分の1に削減した。突入電力も無視することができる。
SerDesトランシーバーは10Gビット/秒で90mWを下回る。さらに、独自のFlash Freezeモードによって、待機電力は25℃の環境で130mWを実現することができる。この結果、総消費電力は競合製品に比べて、ほぼ半分になるという。
消費電力を低減することで、システム/モジュールレベルでは冷却用の部品などが不要となる。同社の試算によれば、「1W当たりBOMコストを1.5米ドル節約できる。4Wの削減ができれば6米ドルのコストカットができる」という。
セキュリティ機能も充実している。CRI(Cryptography Research Incorporated)の特許取得済みの差分電力解析(DPA)ビットストリーム保護や、物理的に複製を防止する機能(PUF)、56Kバイトのセキュアな組み込み不揮発性メモリ(eNVM)、ビルトインの改ざん検知とその対策機能、真の乱数ジェネレーターなどを提供している。
この他、最大1600Mビット/秒のDDR4メモリなどの高速I/Oや、シリアルギガビットイーサネット(SGMII)などの汎用I/Oなどを搭載しているのも特長の1つだ。
PolarFireファミリーは、LE数によって4タイプを用意する。早期アクセスユーザーに対し、LE数が300kの「MPF300」について近くサンプル出荷を開始。同109kの「MPF100」や同192kの「MPF200」、同481kの「MPF500」を順次、供給する。一般ユーザー向けのサンプル出荷は2017年第2四半期(4〜6月)に始める予定である。価格については、明らかにしなかった。
なお、開発環境として「Libero SoC PolarFireデザインスイート」を用意している。開発キットとしては、さまざまな機能をテストできる「評価キット」を2017年第2四半期、廉価版の「スプラッシュキット」を2017年第3四半期に、発売する予定である。
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