セルラーを利用するLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークのデモも、幾つか展示した。Cat-M1は、米国の通信事業者であるAT&T、Verizon、オーストリアTelstraが既に導入しているセルラーLPWAである。日本では規制の関係で、2017年10月ごろから使用できるようになる見込みだ。
エリクソンはNB(Narrow Band)-IoTについても、China MobileおよびIntelとともにトライアルを進めている。エリクソンが中国・南京に所有する工場(Ericsson Panda Communication工場)では、日本向け基地局などを製造しているが、その工場でNB-IoTトライアルを行っている。1000個の高精度ねじ回しにNB-IoTモジュールを搭載し、使用した回数や油をさした回数などについてデータを収集して、ねじ回しのキャリブレーションや保守を行う。エリクソン・ジャパンは、「NB-IoTモジュールを搭載するというコストは掛かるが、効率の向上により、ROI(投資対効果)は210%、半年でブレークイーブン(損益分岐点)を見込む」と説明している。
コネクテッドカーのサービス生成
MWC 2017の初日だった2017年2月27日には、コネクテッドカー関連のサービスの開発を促進するプラットフォーム「Connected Vehicle Marketplace」を発表した。エリクソンが以前から提供していた自動車向けクラウドサービス「Connected Vehicle Cloud」を拡張したもので、運転データなどの共有や、課金および請求システムなどを開発するためのオープンAPI(Application Program Interface)を備えている。
5Gの加入契約数、2022年には5億5000万件に
Ericsson(エリクソン)は年に2回、モバイル市場の動向をまとめた「エリクソン・モビリティレポート」を発行している。同レポートの最新版(2016年11月発行)によると、5Gの加入契約数は、2022年には5億5000万件に達する見込みだという。レポートでは5Gの他、V2X(Vehicle to Everything)やセルラーIoT(モノのインターネット)ネットワークについてもカバーしている。