Ericsson(エリクソン)は年に2回、モバイル市場の動向をまとめた「エリクソン・モビリティレポート」を発行している。同レポートの最新版(2016年11月発行)によると、5Gの加入契約数は、2022年には5億5000万件に達する見込みだという。レポートでは5Gの他、V2X(Vehicle to Everything)やセルラーIoT(モノのインターネット)ネットワークについてもカバーしている。
2020年に一部商用化が予定されている5G(第5世代移動通信)。Ericsson(エリクソン)が2016年11月に発行した「エリクソン・モビリティレポート」によると、5Gの加入契約数は、2022年には5億5000万件に達する見込みだという。
エリクソン・モビリティレポートの説明会を開催したエリクソン・ジャパンのCTO(最高技術責任者)を務める藤岡雅宣氏は、「5Gの標準化は3GPPが予定通り進めていて、要件もほぼ固まっている」と説明する。2017年以降は「NR(New Radio)フェーズ1」「NRフェーズ2」へと進む予定だ。「NRフェーズ1では、モバイルブロードバンドの延長として、より高いビットレートやより大容量を実現するための技術について、NRフェーズ2では、5Gの重要なアプリケーション(コネクテッドカーなど)で必要な技術、例えば低遅延などを実現するための技術について、標準化が進む計画だ」(同氏)
2017年には米国で5Gの試験導入が始まり、続いて2018年の冬季五輪(韓国ピョンチャン)で商用化前のデモ、そして2020年の東京五輪で商用デモが行われる予定となっている。
エリクソン・モビリティレポートによると、大半の通信事業者が5Gを導入するのは、3GPPによる標準化が完了する予定の2020年以降になる。2022年には、5Gの加入契約数が5億5000万件に達すると、エリクソンは見ている。
5Gへの移行が最も速いと予想される地域が北米だ。2022年には、北米におけるモバイル契約数のうち25%が5Gになると予測されている。対称的なのは中東・アフリカだ。こちらは2016年の時点で2G(GSM/EDGE)が65%を占めていて、2022年にはようやく3G(WCDMA/HSPA)が50%に達する見込みとなっている。
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