この結果、最大注入電流時における光出力は、従来構造に比べて約20倍となることが分かった。この理由として新構造の場合は、注入電流が増えてもLEDのジャンクション温度は、その上昇が抑制されていることが明らかとなった。
なお、チップサイズが1×1mmの深紫外LEDについて、3次元ファーフィールド放射パターンと、ニアフィールド光出力パターンの像を観察した。従来型素子では、電極メサ構造の形状とほぼ同一形状の放射パターンを観測した。一方、今回開発した素子は、LEDチップの広い領域から放射を観測した。このことから、開発した素子は光取り出し角が拡大していることが分かった。
今回の研究成果は、ナノインプリント技術を用いて高出力化を実現した。このため、従来の電子ビーム描画装置や縮小投影型露光装置などを用いた製造プロセスに比べて、製造コストを大幅に低減できるという。製造コストを抑えた高出力の深紫外LEDを、効率よく製造することが可能となるため、現行の水銀ランプを代替するだけでなく、新たな応用分野を拡大できる技術として期待している。なお、今回の成果はトクヤマとの共同研究によるものである。
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