TDKは、「TECHNO-FRONTIER 2017」で、無人搬送車(AGV)やロボットハンドなどの用途を視野に入れた産業機器向けワイヤレス給電システムの参考展示を行った。
TDKは、「TECHNO-FRONTIER 2017」(2017年4月19〜21日、千葉・幕張メッセ)において、産業機器向けワイヤレス給電システムの参考展示を行った。無人搬送車(AGV)やロボットハンドなどの用途を視野に入れている。
参考展示した産業機器向けワイヤレス給電システムは、出力が1kWと50Wのシステム。1kWタイプはAGVや移動ロボットなどの用途を視野に入れている。50Wタイプは360度を超えて回転するようなロボットハンドなどをターゲットにしている。回転角に制限がなく回転体への電力伝送が可能となる。近くに金属があっても電力を伝送することができるという。ブースでは、これらの送電・受電ユニットを用い、電力伝送のデモを行った。
同社は、ワイヤレス給電システムをプラットフォーム化しており、伝送距離など用途に応じたシステムを迅速に提供できる体制を整えている。もちろん、キャパシターやフェライトなどコアとなる技術や製品を自社で開発しているのも同社の強みである。
同社のワイヤレス給電システムの特長は、位置ずれ精度のシミュレーション技術にもある。例えば、コイルの効率はコイルサイズが40×40cmの場合、ギャップのずれが10cmではほぼ100%である。これが20cmに広がるとその効率は数%低下するという。「50Wタイプだと、システム全体の効率は89%になる」(説明員)と話す。
同社は、出力が20Wタイプのモバイル端末向けワイヤレス充電規格に対応する製品については既に出荷を行っている。今回の産業機器用途に向けた1kWタイプや50Wタイプの製品については、2017年度中にも量産を始める予定だという。
IoT開発キット、モジュラー構造で変更も容易
三菱電機がSiC-SBDを単体で提供、高いニーズ受け
GaNで効率90%、電動自転車用無線給電システム
SiCとリカロイで電力変換モジュールが従来比1/3に
Li電池セルのOCV試験を大幅に短縮
TDKとQualcommが合弁会社の設立を完了Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング