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自動運転ではGNSSチップも機能安全対応が必須にu-bloxが強調(1/2 ページ)

コネクテッドカー市場に注力するu-blox(ユーブロックス)は、次世代のV2X(Vehicle to everything)モジュールやGNSS(全地球航法衛星システム)モジュールの開発を進めている。u-bloxの共同創設者であるDaniel Ammann氏は、レベル4の自動運転車からGNSSが必須になり、それに伴ってGNSSレシーバーは機能安全対応が求められるようになると説明する。

» 2017年06月23日 11時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]

4つのIoT分野に注力するu-blox

 2017年に創立20周年を迎えたu-blox(ユーブロックス)は、本社のあるスイス・タルウィル(Thalwil)にアジアの複数のメディアを招き、同年6月13〜14日にかけて記者説明会を行った。

 u-bloxの注力分野の1つはIoT(モノのインターネット)で、その中でも「コネクテッドカー」「コネクテッドシティー」「コネクテッドインダストリー」「コネクテッドコンシューマー」の4つが重点市場となっている。

u-bloxが注力する4つのIoT市場(クリックで拡大) 出典:u-blox

 上記のうち、今回の記者説明会でu-bloxが多くの時間を割いたテーマがコネクテッドカーだ。u-bloxの共同創設者でエグゼクティブバイスプレジデントを務めるDaniel Ammann氏と、V2X(Vehicle to everything) Product Strategyのディレクターを務めるCostas Meimetis氏が、それぞれコネクテッドカーに必要とされるGNSS(全地球航法衛星システム)モジュールやV2Xモジュールを紹介した。

 Meimetis氏は、「u-bloxは、コネクテッドカーに必要なさまざまな接続技術をカバーするモジュールのラインアップをそろえている」と強調する。具体的には、GNSSや、LTEをはじめとするセルラーネットワーク、BluetoothやWi-Fi、V2Xだ。

u-bloxは、コネクテッドカーに必要なこれらの通信技術に対応するモジュールを提供する(クリックで拡大) 出典:u-blox

レベル4の自動運転からはGNSSセンサーが必須に

u-bloxのDaniel Ammann氏

 u-bloxの共同創設者でエグゼクティブバイスプレジデントを務めるDaniel Ammann氏は、「自動運転車では、レベル4*)からGNSSセンサーが必須になる」と強調する。

*)レベル4:一部の走行状況を除き、全ての運転を自動で行える。完全な自動運転の一歩手前。

 「自動運転レベル0〜3までは、メートルレベルの精度の位置情報でも事足りるが、レベル4以上ではそうはいかない。センチメートルの精度が必要になる。現時点では、GNSSセンサーは、極めて正確な位置情報を提供できる唯一のセンサーだ。これをカメラやレーダー、ライダー(レーザーレーダー)と組み合わせることで、高度なV2X通信や自動運転を実現できるだろう」(Ammann氏)

自動運転レベル別に求められる条件および機能(クリックで拡大) 出典:u-blox

 GNSSモジュールは、u-bloxが最も得意とする技術の1つだ。チップも全て自社で開発している。u-bloxの既存のGNSSモジュール製品群では、測位エンジンプラットフォーム「M8」を採用したものが最新となっているが、u-bloxは現在、次世代のプラットフォームを開発中だ。Ammann氏によれば、次世代のGNSSモジュールは、マルチGNSS受信、マルチバンド受信、3次元(3D)自動車用推測航法、SSR(State Space Representation)補正データの使用という4つのコア技術を融合したものになるという。次世代品は、早ければ2017年内にも発表する予定だ。

左=u-bloxのGNSSモジュールによる測位の誤差。開発中の次世代品では、方角における測位のばらつきがかなり少なくなっていることが分かる/右=次世代GNSSモジュールの特長

GNSSモジュールにも機能安全対応が求められる

 Ammann氏は、「自動運転車向けのGNSSモジュールは今後、機能安全への対応が求められるようになるだろう」と述べる。「航空機向けのGNSSレシーバーでは、機能安全規格『ISO 26262』に対応した製品があるが、これらは大型で高価だ。自動運転車向けのGNSSモジュールで、機能安全に対応したものは現時点ではない」(同氏)。Ammann氏は、自動運転時代には、ISO 26262に準拠した小型で安価なGNSSモジュールが必須になるだろうと強調した。

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