AI(人工知能)を使った音声アシスタント機能において、中国のWeb大手であるBaiduとAlibabaが、AmazonやGoogleに対抗すべく、積極的に動いている。2017年7月初頭には、AI音声アシスタント機能や自動運転の開発に向けた取り組みが、BaiduとAlibabaから相次いで発表された。
中国のトップWeb企業であるBaiduとAlibabaが、AI(人工知能)アシスタント機能である「Amazon Alexa」やスマートスピーカー「Google Home」の対抗馬となるサービスを相次いで発表した。
Alibabaは、スマートスピーカー「Amazon Echo」に似た「Tmall Genie」を発表した。MediaTekのSoC(System on Chip)を搭載している。
Alibabaの競合であるBaiduは2017年7月4日(中国時間)に、北京でAI開発者会議を開催し、MediaTekと米Conexant(コネクサント)のチップを使った、スマートスピーカーのリファレンス設計を発表した。スマートスピーカーはBaiduの「DuerOS」ソフトウェアがベースになっている。Baiduはさらに、NVIDIAと提携し、BaiduのDuerOS対話型AIシステムを「NVIDIA SHIELD TV」に追加することも発表している。
Amazon Alexaは現時点では中国語(北京語)に対応しておらず、中国では販売していない。つまり、BaiduやAlibabaにとってチャンスなのである。
さらにBaiduは、2017年7月4日のイベントで、自動運転の開発プロジェクト「Apollo(アポロ)プロジェクト」を始動したと発表した。Baiduが開発中の自動運転プラットフォーム「Apollo」をベースに、自動運転の実用化を目指す取り組みである。チップベンダーのIntel、NVIDIA、Boschの他、米Ford Motor、ドイツDaimler、中国の自動車メーカーChery Automobile、BAIC Motor、FAW Group、Great Wall Motorなどが参画する。
Delphiやマッピング技術を専門に手掛けるTomTomも、Baiduのパートナー企業に名を連ねている。Reuters(ロイター通信)の報道によると、Baiduは早ければ2019年には、中国でApolloプラットフォームをベースとした自動運転車を投入することを目指しているという。
上記の動きとは別に、BaiduはTencentおよびLenovoと同様、Nioという米国の新興企業に投資している。Nioは、自動走行の電気自動車を独自に開発する計画を進めている。
Apolloプラットフォームには、2013年に発表されたBaiduの機械学習向けオープンソースフレームワーク「PaddlePaddle」の他、NVIDIAのオープンなAI車載コンピューティングプラットフォーム「DRIVE PX2」も搭載される見込みだという。さらにBaiduは、自社データセンターにおけるトレーニングや推論ジョブに向けて、NVIDIAのGPU「Volta」を採用することも明らかにした。
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