TSMCは、Samsung Electronicsに後れを取っている10nmプロセスで初の売り上げ計上が生じたと明らかにした。
TSMCは、10nmプロセスを適用した製品から初めて売り上げを得たことを明らかにした。10nmプロセス製品において、TSMCはSamsung Electronicsに後れを取っている。
TSMCによると、2017年第2四半期の10nmプロセス製品の売上高は、全体の売上高の1%を占めたという。
一方のSamsungは2017年3月、同社製のSoC(System on Chip)「Exynos 8895」とQualcommのSoC「Snapdragon 835」を含む、10nmプロセスを適用して製造した初めての製品を発表した。
TSMCの2017年第2四半期の売上高(米ドルベース)は、前年同期比でわずか3.2%増加するにとどまったが、同社はそのような不振から抜け出せると見込んでいる。同社は、AppleとMediaTekからモバイル向けチップの製造を委託されているが、2017年第3四半期には、それらのファブレスメーカーによる在庫調整の動きはやむとみている。
TSMCの共同CEOであるMark Liu氏は、台湾・台北で開催された2017年第2四半期の業績発表の場で、「当社は、2017年第3四半期の売上高は、前年同期比で15.7%増加すると見込んでいる。モバイル関連の顧客向けの10nmプロセス製品の製造を、速やかに増加することが、そうした成長を後押しする」と述べた。
TSMCは、2017年の売上高の成長率を、前年比5〜10%と予測している。これは従来の数字と変わらない。
TSMCは、Appleの「iPhone 8」(仮称)向けアプリケーションプロセッサの製造に10nmプロセスを用いることから、2017年下半期中に10nmプロセスの売上高が上昇すると見込んでいるようだ。TSMCは、2017年下半期には、10nmプロセスの売上高が全体の約10%を占めるようになると予測している。
TSMCは1年後には、7nmプロセスでSamsungよりも優位に立つ可能性がある。
TSMCによると、7nmの歩留まりは当初の計画を上回っているという。同社は7nmプロセスでEUV(極端紫外線)リソグラフィを導入するとみられているが、それについて詳細を述べることは避けた。さらにTSMCは、「7nm+プロセス」を提供し、顧客が7nmプロセスからの移行しやすくすることも計画している。
TSMCはこれまでに、7nmプロセスを適用した、約30種類の製品のテープアウトを行った。
TSMCは、5nmプロセスの開発の進捗(しんちょく)について言及し、このまま順調にいけば2019年第1四半期には5nmノードを発表できる見込みであると付け加えた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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