タワージャズは、ADASや自動運転システムを支える車載用の先端RFICと高性能アナログ(HPA)ICに対応する製造プロセスを提供していくと発表した。
タワージャズは2017年8月、車載用の先端RFICと高性能アナログ(HPA)ICに対応する製造プロセスを提供していくと発表した。先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムを実現していくために必要な高機能、高性能アナログ半導体チップの製造が可能となる。
タワージャズは、イスラエルと米国にそれぞれ2カ所、日本に3カ所と複数の生産拠点を有するファウンドリーである。SiGe(シリコンゲルマニウム)やBiCMOS、ミックスドシグナル、CMOS、RF CMOS、CMOSイメージセンサー、BCD、MEMSなど、顧客がカスタマイズ可能なプロセス基盤技術を提供する。これらのプロセス技術をベースとして、民生電子機器や産業機器、車載用機器、医療機器、航空宇宙防衛機器などに向けたICを生産する。
車載用RFICの用途は、大きく車載レーダーとワイヤレス接続に分けることができるという。車載レーダー装置は前方衝突回避や警告、車線逸脱警報、死角検知、駐車支援などの機能を実現するために、幅広い車種で標準搭載が進む。自動運転のレベルが向上すると、車両1台当たり最大12個のレーダー装置が搭載される可能性があるという。また、GPSや5G(第5世代移動通信)、V2X(Vehicle to Everything)通信などが登場し、車載用RFICの需要拡大は今後も続く見込みである。
これに対してタワージャズは、SiGeテラビットプラットフォームなどを用意している。同社が提供するSiGe技術は、遮断周波数(Ft)が240〜300GHz、最大発振周波数(Fmax)が280〜340GHzなどで、顧客は用途に合わせて速度とノイズの要件を最適化することができる。なお、国内の魚津工場では、コスト重視の用途に向けた65nm RF CMOS技術を提供する
ワイヤレス接続機能は、今後普及するとみられるコネクテッドカーへの搭載が期待されている。このため同社は、低ノイズアンプ用のRF SOIやRF CMOSプロセス技術の他、フロントエンドモジュールオンチップRFプラットフォームなどを用意した。
調査会社の報告書などによると、車載半導体市場は2016年の350億米ドルに対して、2022年までに480億米ドルへ拡大すると予測されている。このうちアナログ半導体チップが市場全体の69%を占める。特に、車載用RF半導体チップ市場は、年平均成長率が14%を超え、その規模は2021年までに18億米ドルを上回る見通しだという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.