5G(第5世代移動通信)は実用化のスケジュールが非常にタイトなため、規格策定の計画が段階的に組まれている。まずは2017年12月に、フェーズ1の策定が完了する予定だ。これを機に、フェーズ1で取り扱われる「5G NSA(Non Stand Alone)」やミリ波について、知っておきたい基本事項を整理してみよう。
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この数年間、研究者らは「5G(第5世代移動通信)とは何か?」という問いに対する答えを用意するために、新たなコンセプトと技術の探求に懸命に取り組んできた。
この取り組みに関して重要な役割を果たすのが3GPP(3rd Generation Partnership Project)だ。3GPPは、無線通信規格の仕様を、合意に基づいて策定および公開している標準化団体である。5Gについても仕様策定のスケジュールを定めている。その中で、5Gのフェーズ1の仕様は「5G New Radio(NR)」と呼ばれている。5G NRの仕様は2017年12月を期限として定義される予定だ。つまり、その期限は刻一刻と迫っている(スケジュールは図1の通り)。
5G NRフェーズ1の仕様は、現在のモバイル通信で一般的に使用されているLTEのプロトコルとはもちろん別物だが、類似点もある。最も明白な違いは、キャリア帯域幅と周波数帯だ。また、5G NRの仕様では、アナログとデジタルの両方の領域で、新たなビームフォーミング機能が追加されている。下記の表1は、LTEと5G NRの主な仕様を比較したものだ。
比較項目 | LTE | 5G NRフェーズ1 |
---|---|---|
周波数帯 | 最高6GHz | 最高52GHz |
キャリア帯域幅 | 最大20MHz | 最大100MHz(6GHz以下の場合) 最大1GHz(6GHz以上の場合) |
キャリアアグリゲーション | 最大32 | 最大16 |
アナログビームフォーミング(ダイナミック) | サポートしない | サポートする |
デジタルビームフォーミング | 最高8レイヤー | 最高12レイヤー |
チャンネルコーディング | データ:ターボ符号 制御:畳み込み符号 |
データ:LDPC符号 制御:ポーラ符号 |
サブキャリア間隔 | 15kHz | 15k/30k/60k/120k/240kHz |
自己完結型サブフレーム | サポートしない | 実装は可能 |
スペクトル占有率 | チャンネル帯域幅の90% | チャンネル帯域幅の最大98% |
早期の実用化を目指していることから、5Gのスケジュールは非常にタイトだ。その厳しいスケジュールに対応すべく、幾つかのフェーズに分けて段階的に作業を進められるよう、計画が立てられている。
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