Oregon State UniversityとTexas Instrumentsの共同研究チームは、2.4GHz帯のWi-Fi電波からエネルギーを収穫する環境発電回路を開発した(講演番号8.1)。2.4GHz帯のWi-Fiが構築されている環境下で使う。回路の消費電力は960pWと極めて低い。収穫した電力が−34dBm(0.4μW)以上だと、回路が継続的に動作する。また収穫した電力が−31dBm(0.79μW)以上になると、コールドスタートが可能になる。製造技術は65nmのCMOS技術である。
台湾National Chiao Tung Universityと台湾のRealtek Semiconductorによる共同研究グループは、70Wの大電力を90%と高い効率で無線伝送するシステムを報告する(講演番号8.2)。ゼロ電圧スイッチング(ZVS:Zero Voltage Switching)とゼロ電圧傾きスイッチング(ZDS:Zero voltage Derivative Switching)の両方を実現したE級のアンプを、窒化ガリウム(GaN)デバイスで試作した。整合点を自動で探索する回路を備える。GaNデバイスの動作周波数は6.78MHz。
韓国のKorea Universityは、摩擦帯電を利用した環境発電回路を発表する(講演番号8.6)。高電圧2入力のバックコンバーターを基本としており、最大電力点追従(MPPT:maximum power point tracking)機能を搭載した。最大電力変換効率は51.1%、最大入力電圧は70V。製造技術は180nmのCMOSプロセスとBCD(Bipolar-CMOS-DMOS)プロセスである。