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電気通信と光通信の境界福田昭のデバイス通信(142) imecが語る最新のシリコンフォトニクス技術(2)(2/3 ページ)

» 2018年04月10日 10時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

「100Gbps×1m」が伝統的な境界線

 データセンターで通信、言い換えると信号伝送を担うのは、銅ケーブル(電気通信)と光ファイバーケーブル(光ファイバー通信)である。信号伝送の主な仕様は2つ。伝送速度(ビット/秒)と伝送距離(メートルあるいはキロメートル)である。

 電気通信は低速・短距離の伝送、光通信は高速・長距離の伝送を担う。両者の境界線は伝統的に、「100Gbps×1m」といわれている。伝送距離が長く、100mであれば、1Gbpsが電気通信と光通信の境界になる。逆に伝送距離が短く、1cmであれば、10Tbpsが境界になる。

 データセンターの信号伝送では、最も距離が短いのが、ボードに載った半導体パッケージ内部の伝送である。伝送距離は数ミリメートル。長くても5cmには満たない。伝送速度は100Gbpsから1Tbpsへと増加しつつある。銅配線によって伝送しており、光通信の出番はまだ将来のことだ。

 次に短いのが、ボード内部の伝送(半導体デバイス間の伝送)である。伝送距離は最大50cmと伸びる。伝送速度は10Gbps〜100Gbpsであり、ここでも銅配線が使われている。

 その次がボード間の伝送、すなわちバックプレーンである。伝送距離は50cm〜3mとなる。50Gbpsでは銅ケーブルが使われている。100Gbpsの伝送手段では銅ケーブルと光ファイバーケーブルが混在する。

 さらに大掛かりになるのが、バックプレーン間の通信、すなわちデータセンター内部の通信である。伝送距離は最大で500mを超えており、伝送速度は最大で200Gbpsに達する。ここでは光ファイバー通信が主役である。

 そしてデータセンター間の通信になると、完全に光ファイバー通信の独壇場である。伝送距離は短くとも10kmを超える。伝送速度は100Gbps〜200Gbpsである。

データセンターにおける通信速度と方式のロードマップ。色分けの左下(低速、短距離)が銅ケーブル伝送、右上(高速、長距離)が光ファイバー伝送。出典:imec(クリックで拡大)

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