データセンターで信号伝送を担うのは、銅ケーブル(電気通信)と光ファイバーケーブル(光ファイバー通信)だ。今回は、この2つにおける通信速度と通信距離の関係や、光ネットワークの帯域を向上する上で鍵となる技術を解説する。
半導体デバイス技術に関する国際会議「IEDM」では、カンファレンスの前々日に「チュートリアル(Tutorial)」と呼ぶ技術セミナーを開催している。2017年12月に開催されたIEDMでは、6件のチュートリアルが開催された。
その中から、シリコンフォトニクスに関する講座「Silicon Photonics for Next-Generation Optical Interconnects(次世代光接続に向けたシリコンフォトニクス)」が興味深かったので、その概要を前回からシリーズでお届けしている。講演者は、ベルギーの研究開発機関imecのJoris Van Campenhout氏である。
なお講演の内容だけでは説明が不十分なところがあるので、本シリーズでは読者の理解を助けるために、講演の内容を適宜、補足している。あらかじめご了承されたい。
本シリーズの第1回となる前回では、講演のアウトラインを説明するとともに、講演内容を理解するための基礎事項を補足した。今回は、データセンターにおける光通信と電気通信の進化と境界について説明する。
データセンターにおける通信需要は指数関数的に増大している。このため、データセンター間のネットワーク帯域、データセンター内部のネットワーク帯域、データセンター内部に配置したサーバ間のネットワーク帯域はいずれも、段階的に増強していくことが求められる。
例えばデータセンターのネットワーク通信速度は100Gビット/秒(bps)から400Gbpsへと移行しつつある。将来は1.6Tbpsへと増やす。そしてデータセンターのスイッチ速度は3.2Tbpsから6.4Tbpsへと拡充しつつある。さらには、12.8Tbpsへと拡大する。サーバ間の通信速度は25Gbpsから50Gbpsへと増加しつつある。近い将来には、100Gbpsへと増えるだろう。
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