太陽誘電とFLEXCEEDは、パワーデバイス向けのワイヤーボンドレスパッケージ技術「Power Overlay(POL)」を用いた製品の事業化を加速するため、POL製品のサンプル試作対応を始めた。
太陽誘電とFLEXCEEDは2018年6月、パワーデバイス向けのワイヤーボンドレスパッケージ技術「Power Overlay(POL)」を用いた製品の事業立ち上げに向けて、POL製品のサンプル試作対応を始めた。
POLは、GEが開発したパッケージ技術で、ポリイミドフィルム基板上にICや電子部品を搭載し、これらデバイス間を銅メッキで接続するための技術である。従来のワイヤーボンディングを用いたパッケージ技術に比べて、寄生インダクタンスや電気抵抗の削減、小型・薄型化、高効率化を実現することが可能になるという。
太陽誘電は2014年末に、FLEXCEEDは2017年2月に、それぞれGEベンチャーズから同技術に関する特許ライセンスを取得し、事業化に向けてそれぞれ開発を行ってきた。特に太陽誘電は、部品を内蔵した配線板「EOMIN(イオミン)」で培った回路設計技術や評価技術を生かして、POL技術の導入に取り組んできた。一方、FLEXCEEDは、これまで多くの実績を持つポリイミドフィルム基板をベースとしたパッケージ技術を生かしつつ、POLによる革新的な実装技術の実現を目指してきた。
太陽誘電は今回、POL技術を適用したパワーモジュールについて、その特性向上を確認したことから、FLEXCEEDと共同で、FLEXCEED那珂工場に生産設備を導入し、開発用試作ラインを立ち上げた。2018年5月にはサンプル品の試作体制が整い、2020年1月までにPOL対応製品の量産を始める予定である。
両社は、それぞれが強みとする「EOMIN」と「ポリイミドフィルム基板」を活用したPOLパッケージソリューションを提案する予定だ。例えば、データセンター用電源装置や産業機器、新エネルギー対応装置、車載機器などに向けた製品で、低耐圧から中耐圧(〜1250V)のパワーモジュールなどに適用する考えである。
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