FICTは「SEMICON Japan 2025」で、次世代半導体パッケージ向けのガラスコア基板「G-ALCS(Glass All-Layer Z-connection Structure、ジーアルシス)」を参考出展した。薄いガラスを何枚も接着して多層化することで、反りやセワレを抑えられる。
FICTは「SEMICON Japan 2025」(2025年12月17〜19日、東京ビッグサイト)で、次世代半導体パッケージ向けのガラスコア基板「G-ALCS(Glass All-Layer Z-connection Structure、ジーアルシス)」を参考出展した。
G-ALCSは、複数枚の薄いガラス基板を樹脂で接着(多層化)し、導電性ペーストを用いて電気的に接続したもの。ビルドアップ基板のコア層として用いると、反りが小さく、セワレを抑えられるとFICTは説明する。
反りについては、高温になると大きく反ってしまう有機基板に対し、G-ALCSは約250℃でもほぼ反らない(低温時から反りの量が変化しない)。これは、リフロー処理においても有利な点だ。
セワレにも強い。セワレは通常、ダイシングの際にビルドアップ層からの応力によってガラス内部に割れが発生することで起こる。G-ALCSは、ガラス基板間の樹脂が応力を吸収して分散するので、セワレを抑えられるという。SEMICON Japanでは、ビルドアップ層付きのガラス基板を4等分にダイシングしたものを展示していた。シングルガラスコアを用いたものは中心からぱっくりとセワレが発生していたが、G-ALCSは全く割れていなかった。
G-ALCSは、複数のガラス基板を並列で製造するので、生産性が上がるという利点もある。FICTの担当者は「従来の樹脂基板では製造した後に不具合があると、そのコア基板は使えなくなってしまう。G-ALCSであれば、不具合があるガラス基板だけを取り換えれば他のガラス基板は使用できる」と付け加えた。さらに、信号伝送用のガラス基板はインピーダンスを下げるために薄く、電力伝送用は厚めに、といった具合に、機能に合わせてガラス基板の厚みを変えられることも特徴だ。
説明担当者はG-ALCSについて「樹脂も導電性ペーストも特殊な材料で、誘電正接、誘電率ともに優れたものを自社で開発した。当社独自のプロセスと、そのプロセスに合わせた材料を開発している。どちらか一方だけでは成立しないので、他社にはまねできない技術だ」と強調する。
FICTは2025年12月18日、3次元多層化インターコネクト技術を早期に確立すべく、新たに研究開発センターを設立したと発表した。長野ラボラトリー(長野県長野市)、川崎ラボラトリー(川崎市)、糸島ラボラトリー(福岡県糸島氏)の3拠点に設立する。これらの新拠点でG-ALCS製造用施設も整備し、2027年6月にはサンプル製造開始を目指す。
FICTは2002年、富士通のプリント板事業から分社、独立して誕生した企業だ。富士通インターコネクトテクノロジーズとして事業を開始し、2022年に社名をFICTに変更した。長くFC-BGA基板を手掛けている他、めっきを使用しないIVH(Interstitial Via Hole)多層基板「F-ALCS」を提供している。G-ALCSは、F-ALCSで培ったノウハウを応用した技術だ。「大型化や多層化の点では、F-ALCSよりもG-ALCSの方がずいぶん容易だった。F-ALCSで蓄積した知見があったからこそ、G-ALCSを開発できた」(FICT)
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