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Pelionでx86も管理できる、IntelとArmがIoTで提携IoTの障壁を取り除く

IntelとArmは、IoT(モノのインターネット)導入における主な障壁をなくすことを目指した戦略的パートナーシップを発表した。IoTデバイスのオンボーディングプロセスの複雑さを軽減し、顧客が1つのデバイスアーキテクチャやクラウドプロバイダーのサービスに限定されることなくIoTオンボーディングシステムを選択できるようにする。

» 2018年10月17日 10時30分 公開
[Dylan McGrathEE Times]

 IntelとArmは、IoT(モノのインターネット)導入における主な障壁をなくすことを目指した戦略的パートナーシップを発表した。IoTデバイスのオンボーディングプロセスの複雑さを軽減し、顧客が1つのデバイスアーキテクチャやクラウドプロバイダーのサービスに限定されることなくIoTオンボーディングシステムを選択できるようにする。

 今回の提携では、Intelの「Secure Device Onboard(SDO)」サービスを拡張してArmデバイスに対応させる。これによって、ArmのIoTプラットフォーム「Pelion」で、ArmベースのIoTデバイスやゲートウェイの他にx86ベースのプラットフォームも管理もできるようになるという。

 今回の提携は、相互運用性や標準規格、共通の技術が整備されていないことなど、IoTを幅広く展開する上でのボトルネックを軽減するための重要な一歩となるだろう。

 米国の市場調査会社であるMoor Insights and Strategyでプレジデント兼主席アナリストを務めるPatrick Moorhead氏は、EE Timesとやりとりしたメールの中で、「IoT分野でのArmとIntelの提携は、両社に多くのメリットをもたらし、IoTの幅広い普及の鍵となる」と述べている。

 米国の市場調査会社であるABI Researchでディレクターを務めるMichela Menting氏は、プレスリリースの中で、「IntelとArmは、IoT分野の製造およびセキュリティ導入のワークフローを効率化する上で最も複雑で困難な障壁の一つをなくそうとしている」と述べている。

 米国の市場調査会社であるTirias Researchで主席アナリストを務めるJim McGregor氏は、EE Timesと交わしたメールで、「今回の提携に関しては、IntelよりもArmの尽力の方が大きかったと思われる。両社の提携は、ArmのPelionのエコシステムにIntelが参加する形で実現したが、PelionはArmが買収したTreasure DataとStream Technologiesの技術を活用したプラットフォームである」と述べている。同氏は、これら2社は以前、Intelのプラットフォーム開発に協力していたのではないかと推察しているという。

 McGregor氏は、「今回の提携は、さまざまなプラットフォームを活用したい開発者にとっても、自社の幅広い製品の販売を促進したいArmにとっても望ましいことだ」と述べている。

 Intelのソフトウェアおよび、サービスグループのバイスプレジデント兼IoTセキュリティ部門のゼネラルマネジャーを務めるLorie Wigle氏は、同社のWebサイトに投稿した記事の中で、「Gartnerなどが発表したIoTの影響に関する予測によると、2035年には1兆台のデバイスがインターネットに接続される見通しだ。ただし、これは、業界が連携して、クラウドにデバイスやデータを安全に設定するためのよりオープンでスケーラブルな方法を確立しなければ実現できないことだ」と述べている。

 Wigle氏は、「IoTが20年以内に1兆台のデバイスに広がるには、IoTデバイスのオンボーディングプロセスをより迅速、安全、柔軟に行えるようにしなければならない」と述べている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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