EE Timesは、「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)において、複数の経営幹部たちの間で広まっている、「IntelがAMDの買収を検討しているのではないか」という興味深いうわさについて取り上げた。
EE Timesは、「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)において、複数の経営幹部たちの間で広まっている、「IntelがAMDの買収を検討しているのではないか」という興味深いうわさについて取り上げた。
IntelとAMDは、これまでCPU市場において、辛らつな関係にあったことから、常識的には両社の合併はあり得ないと考えられる。EE Timesが今回インタビューを行ったアナリストたちも、そのほとんどが即座にこのうわさを否定している。
しかし、技術者や投資家、経営コンサルタント、投機家などを含む来場者たちを引き付ける巨大な技術祭典であるCESの観点から見ると、IntelとAMDの合併に関する臆測は、どこか真実味を帯びているように思える。少なくとも、雑談向けとしては素晴らしい話題ではないだろうか。
今回のCESでは、古くからのライバルである両社が、全く対照的であることが明らかになった。以下にその理由を挙げたい。
CEO不在のIntelと、Su氏の強力なリーダーシップのもとにあるAMDとの間には、明らかに大きな違いがある。技術アナリストたちはかつて、AMDのことをIntelに対して“万年負け犬”であると見なしていたことから、今回のAMDの強大なリーダーの力に大きな感銘を受けたようだ。米国の市場調査会社であるTirias Researchの主席アナリストを務めるKevin Krewell氏は、EE Timesのインタビューに対し、「AMDにとって、リーダー役をIntelから奪う、極めて画期的かつ劇的な出来事だといえる」と述べた。
Krewell氏は、IntelとAMDの合併の可能性について問われると、「単なるうわさにすぎない。もしそれが本当なら、IntelがPCおよびサーバ市場において完全な優位性を確保し、競争が制限されることになる」と述べる。また、米国の調査会社であるJon Peddie Research(JPR)でプレジデントを務めるJon Peddie氏も、「実現することは、ほぼないだろう」と述べる。
また両氏とも、「米連邦取引委員会(FTC)が、両社の合併を絶対に認めないはずだ」と指摘する。
あるCEOは、「IntelとAMDの合併には賛成できない。半導体市場は現在、PC向けCPUだけに限られているわけではない。NVIDIAが、AI(人工知能)およびデータセンター向けGPU分野において強大な力を持つことから、Intel/AMDのコンビプレイが市場を独占するようなことはないだろう」と述べる。
さらに重要なのが、Appleのように半導体チップを独自開発するシステムベンダー各社が台頭していることを受け、半導体業界の多様化と断片化が進む一方であるという点だ。GoogleやFacebook、Amazonも独自にチップ開発を行い、こうした流れの一部を担っている。
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